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サイクル ロードレース コラム 2013年7月22日

ツール・ド・フランス2013 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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黒い闇夜に、凱旋門がきらびやかに浮かび上がる。昨秋から正式に、ツール史上最多優勝回数保持者に返り咲いた「5勝クラブ」の生存メンバー、エディ・メルクスとベルナール・イノー、ミゲル・インドゥラインがおごそかに台上へと歩み寄り、クリス・フルームに栄光の継承が行われた。

「ランス・アームストロングが告白した直後の大会を勝つことは、挑戦であり、ひどく難しくもあった。この競技の歴史を紐解いてみれば分かるけれど、マイヨ・ジョーヌを着ている選手というのは、それが誰であろうが、ジャーナリストやファンからひどい批判の対象にされるんだ。でも、その状況は理解できる。ボク自身だって、がっかりさせられたからね。だから今回の勝利が、現状を変えるきっかけになれば……と思っている。ボクらは本気で、このスポーツが生まれ変わったことを、証明したい。だけどブーイングや批判などで、ボクの喜びが損なわれることはない。ただ通常より、少し難しくなってしまっただけ。乗り越えなければならない障壁があっただけ」(フルーム)

2週間浴び続けてきたブーイングは、確かにシャンゼリゼでも、少し耳障りだった。それでもアフリカで生まれ育った物静かな英国紳士は、心からの笑みを絶やさなかった。ツールで初めてのグランツール表彰台を堪能する23歳クインターナと、ツールでは生まれて初めての表彰台を楽しむ34歳ロドリゲスを両脇に従えて、凱旋門で踊る光のアートに酔いしれた。

恒例のお楽しみパレードはなかったし、予告されていた「本物の」花火もなかったけれど、パリの夜に楽しげな興奮を振りまいたまま、100年に1度の特別なツール・ド・フランスは別れを告げた。ほんの11ヵ月後には、イギリスのヨークシャーから、ツールは101回目の新たな旅を始める。今度の英国人ディフェンディングチャンピオンは、きっと燃え尽きたりせずに……、新しい時代を牽引していくに違いない。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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