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「昨日の夜、チームメートたちに、『今日のステージを勝ちに行きたい。すごく好きなタイプのステージだから』って話してあった。ボクのために力を尽くしてくれたチームに、感謝している。もちろん『プリト』にも。プリトとボクは、互いのことを知り尽くしてる。このステージは彼向きなのか、それともボク向きなのか、互いによく分かっているし、しっかり話し合いもしているんだ。もちろんチームのリーダーは彼だし、チーム全体が彼のために働く。でも今日は、ボクにトライする機会が与えられたんだよ」(モレーノ)
挑戦は見事に報われた。世界の果ての灯台前で、自身2度目のブエルタ区間勝利を手に入れた。フィニッシュラインではロドリゲスの祝福を受けた。
一方で、ヒルクライマーの後ろから猛烈な加速を仕掛けたのは、疲れ果てたパンチャーやスプリンターではなく、世界最強クラスのルーラーだった。しかしカンチェラーラは、自分に関しても、チームに関しても、少々苦い思いを味わうことになった。前夜から勝利を胸に誓っていた勝者に対して、「ラスト20kmは、行くべきか行かないべきか決めかねてた」からかもしれない。「55kgが飛び出していったんだ。85kgとは違うさ」と、そもそも、山登りにおける身体的ハンデもあった。1日中、総合リーダーのために風除けを務めてきた、疲れもあったのかもしれない。その仕事さえも、結局は水の泡となってしまった。ゴール前のほんの小さな分断にはまったホーナーは、わずか3秒差で総合タイムを逆転され、マイヨ・ロホを失った。
「こんなことは、時々起こりえることさ。何の問題もないよ。たったの3秒差でしかない。むしろ良かったくらいさ。だってこうしてステージを終えて、後はバスに帰って、シャワーを浴びて、リラックスして、次のステージに備えられるんだから。次にジャージを取り戻す時まで、記者会見に答える必要がなくなったんだからね」(ホーナー)
大ベテランは、幸いにも、物事をポジティヴに考える方法を知っていたようだ。リーダージャージを思わぬ形で取り戻してしまったニーバリの方は、つまりリラックスする時間が削られた。なにしろミニバンに飛び乗ってホテルへと急いでいる途中に、表彰台へと呼び戻されてしまったのだ。
「ジャージが手もとに帰ってきてビックリしている。何が起こったのか分からないよ。どこかで分断が起こったんだと思うけど……。ボクが特に何かアクションを起こしたわけじゃない」(ニーバリ)
ニーバリが特別に何かをしていたとしたら、それは、しっかりと集団前方に留まっていたことなのだろう。カンチェラーラの飛び出しに、慌ててエドヴァルド・ボアッソンハーゲンやマイケル・マシューズ、そしてメールスマン等が加速を切った。その素早い流れに問題なく乗ることのできた選手たち(ニーバリ、バウク・モレッマ、ニコラス・ロッシュ、アレハンドロ・バルベルデ、ホアキン・ロドリゲス、ロマン・クロイツィゲル等々)には、モレーノと同タイムが与えられた。
しかし前から21番目と22番目の選手の間に、ほんの小さな……しかし1秒以上の隙間が生まれた。こうしてイヴァン・バッソやホーナー、リゴベルト・ウラン、サムエル・サンチェス等の成績表には、モレーノから「6秒遅れ」が記録されたのだった。ちなみにこの6秒とは、区間2位選手に与えられるボーナスタイムに等しい。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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