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サイクル ロードレース コラム 2013年9月1日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第8ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ラスト14.5kmにそびえ立つ1級山岳へ向けて、2つのチームが、熱心に準備を進めて行った。1つ目のチームは、レディオシャック・レオパード。第4ステージの小さな分断のせいで、わずか3秒差でマイヨ・ロホを失ったクリストファー・ホーナーが、「今週末にはぜひジャージを取り戻したい」と意気込んでいた。スタートから30kmほどで飛び出したエスケープ集団に、マシュー・ブッシュを送り込み、来るべき山道に備えた。

2チーム目は、ワイルドカード枠で大会にやってきたチーム ネットアップ・エンドゥーラだった。実のところ、一旦は、前方集団にバルトス・フザルスキーを滑り込むことに成功した。ただし総合でわずか45秒遅れのポーランド人を、後方プロトンがみすみす逃すわけもない。後方から追い立てられ、エスケープの仲間たちに邪魔者扱いされ、それでもフザルスキーはしばらく奮闘を続けた。暫定マイヨ・ロホの座にも簡単に躍り出た。しかし、残り100kmに迫った地点で、おとなしく後方へと引き下がった。その代わりとして、チームは、エスケープ集団を厳しく追求することに決めた。

フザルスキーが抜けると、13人の大きなエスケープ集団は、メインプロトンから軽々と4分半の差を与えられた。すぐさま、ネットアップの厳しいリベンジが始まった。地中海の紺碧を楽しむ余裕など見せずに、前方との距離を縮めて行く。最終峠の麓にたどり着いた頃には、すでに1分差にまで追い詰めていた。

山道へと突入すると、代わってレディオシャックが猛烈なテンポを刻んだ。今大会すでにライバルたちを幾度も震え上がらせてきたファビアン・カンチェラーラが、この日は見事な山岳アシストを務めた。ホーナーはただ、頼もしいチームメイトの側で、静かにペダルをまわすだけでよかった。残り9kmのアーチの下で、カンチェラーラが仕事を終えると、牽引役のバトンは、前方の逃げ集団から降りてきたブッシュへと渡された。

「最後の上りでは、チームを助けに行かなきゃならないと、分かっていた。だから集団から落ちて、クリスの側へと駆けつけた。ファビアンが仕事を終えて、それからボクが引き継いだ。とにかく、高速リズムで上り続けた」(ブッシュ)

カンチェラーラとブッシュの凄まじい山岳行軍は、たくさんの脱落者を生み出した。特にツール・ド・フランスを総合5位で終えたロマン・クロイツィゲルと、6位バウク・モレッマが、ずるずると力なく後退していった。またフィニッシュまで残り5kmを示すアーチの手前では、逃げ集団の残党、ダリオ・カタルドとドミニク・ネルツもついには飲み込まれた。皮肉にも、メイン集団の先頭をせっせと引いていたのは、ついさっきまで一緒に逃げていたはずのブッシュだったのだけれど!

「レディオシャックは、御覧のとおり、素晴らしく強かった。今日のカンチェラーラとブッシュは、驚異的だったね」(ホーナー)

ここからは、残念なことに、ホーナーの望み通りに物事は進まなかった。残り4.7kmでイゴール・アントンが、アタックを打った。バスクの山岳巧者の飛び出しに、小さな試みが相次いだ。ホーナー自身も、加速を仕掛けた1人だった。ゴール前3.6kmでスピードを上げ、ラスト2.5kmで畳み掛けた。しかしいずれも、マイヨ・ロホ姿のヴィンチェンツォ・ニーバリが、背中にぴったりとはりついてきた。

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