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「プリトと今日の戦術を練ったんだ。2011年に彼が勝った時にアタックを仕掛けたのと同じ場所で、ボクがアタックを仕掛ける予定だった」(モレーノ)
「モレーノがアタックをかけたら、ボクがそこについていく予定だった」(ロドリゲス)
こんな2人の思惑を乗せたカチューシャ隊列は、サンチェスをあっという間に飲み込み、さらにゴール前1.8kmでボアッソンハーゲンを引きずりおろした。激坂へと脚を踏み入れる直前には、2010年に同じ最終激坂を勝ち取ったイゴール・アントンや、イタリアの誇る魔の山ゾンコランを制した経験を持つイヴァン・バッソが――前夜の最終峠で存在感を見せた2人だ――、集団前方へと競り上がってきたこともあった。上りが始まると、ヴィンチェンツォ・ニーバリの親衛隊タネル・カンゲルトが、細い道路に蓋を閉じようとしたことも。
しかし、ゴール前800m、勾配24%ゾーンで、モレーノは予定通りに発射された。誰の手にも届かないところまで、一思いに飛び立った。続く27%ゾーンで、慌ててアレハンドロ・バルベルデも加速したが、時すでに遅し。プリトは、仲良しのチームメートについていく代わりに、ライバルの背後にぴたりと張り付いた。
「モレーノがアタックしたとき、ちょっとためらってしまった。改めて加速したときには、もはや追いつくのは不可能となっていた」(バルベルデ)
「正直に言うと、ボクはモレーノについていけなかった。実のところ、誰にも、ついていけっこなかったのさ」(ロドリゲス)
ちなみに2009年ブエルタでは、ケースデパーニュのエース・バルベルデが総合優勝をさらい、同チームのアシスト役だったロドリゲスとモレーノはそれぞれ総合7位と11位で終えている。また翌年2010年のアムステル・ゴールドレースでは、当時はオメガファルマ・ロット所属だったジルベールがアムステル・ゴールドレースを制し、チームメートのモレーノは74位だった。
「あの頃から、モレーノはものすごく力を伸ばしたね。彼がアタックした時、誰1人としてついていけなかった。ボクはありったけの力を振り絞って、バルベルデやプリトに追いつこうとしたけれど、最終盤があれほど勾配がキツイというのをすっかり忘れていたんだ。そして、千切れてしまった」(ジルベール)
緑色のポイント賞ジャージ姿でガッツポーズを決めたミニクライマーは、数分後に、総合リーダーの証である赤いジャージを身にまとうことになる。バルベルデとロドリゲスは4秒遅れで雪崩れ込んだ。ジルベールが13秒遅れで肩を落とす一方で、マイヨ・ロホ姿のロッシュはニーバリと同じ8秒差ゴールで、なんとか被害を最小限に食い止めた。……ボーナスタイム制度がブエルタに存在していなければ、ロッシュが正真正銘の総合首位であり続けるはずだった。しかし、危惧していた通り、区間勝者に与えられるボーナスタイム10秒が状況を大きく引っくり返した。4日後に32歳の誕生日を控えるモレーノが、わずか1秒差リードで、生まれて初めてのグランツール総合首位に君臨した。9日間でかき集めたボーナスタイムは、トータル32秒!
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