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暴力的なまでの坂道が、最後の審判を下した。ユイの壁よりは500m短い800mで、最大勾配は1%多い27%。春先にフレッシュ・ワロンヌの勝負地を2分48秒(史上6位)で駆け上がったダニエル・モレーノが、バルデペニャス・デ・ハエンの市街地の壁を最速で上り詰めた。
アルデンヌクラシック風の結末へと向かって、ブエルタ一行は、オリーブ林の広がる南スペインの大地を急いだ。アントニー・ルー、ロイド・モンドリー、ジョニー・フーガーランド、ルーク・ロウ、ハビエル・アラメンディアの5選手が、スタート直後から逃げ始めた。許されたリードは最大6分半で、あとはいつも通りに、後方プロトンが追走作業へと取り掛かった。
BMCレーシングチームが、とりわけ積極的に牽引を行った。2011年にアムステル・ゴールドレース→フレッシュ・ワロンヌ→リエージュ〜バストーニュ〜リエージュと、丘陵クラシック3大会連続勝利を飾ったフィリップ・ジルベールを……、しかも2011年は史上最速2分44秒でユイの壁を制したパンチャーを、この日こそは勝利に導きたかったからだ。第7ステージでは好タイミングで飛び出したものの、タイヤ半分の差で2位に泣いていた。しかもディフェンディングチャンピオンとして迎える世界選手権ロード本番まで、ちょうど4週間に迫っている。
「チーム全体が、1日中働いてくれた。全員がそれぞれに任務を果たした。序盤から、逃げ集団とのタイム差コントロールのために、本当に良く尽くしてくれた」(ジルベール)
アルデンヌクラシック風の結末……だからこそ、逃げを吸収したくない人物も存在した。この日がグランツールリーダージャージデビューのニコラス・ロッシュは、17秒差で総合3位につけるモレーノを、ひたすら恐れていた。爆発力に欠けるアイルランド人は、激坂でスペイン人におそらく先行されるだろうことは、いやと言うほど理解していた。だからこそ、である。
「逃げはあえて追いかけなかった。だってモレーノにボーナスタイムを取りに行くチャンスを、できるだけ与えたくなかったから」(ロッシュ)
ゴールまで残り25km。前を行く5人の奮闘もむなしく、そしてロッシュの望みに反して、逃げ集団は吸収された。第2・7ステージに次ぐ3度目のエスケープを試みたアラメンディアは、ただ2度目の敢闘賞を持ち帰っただけだった。
ラスト800mの罠を、早めのアタックで攻略しようと試みた選手もいた。ゴールまで約15km地点に突き立つ2級峠の上りで、アメッツ・チュルーカやロベルト・キセロフスキーが、集団から抜け出した。さらにはエドヴァルド・ボアッソンハーゲンも、可能性を追い求めて突進した。ブエルタ初参加の……つまりバルデペニャス・デ・ハエンの激坂を1度も体験したことのないノルウェー人は、すぐさま先頭を奪い取ると、単独でテクニカルな下りへと飛び込んでいった。
下り巧者のルイスレオン・サンチェスが、ダウンヒルを利用して先行したこともあった。しかし、ゴールまで10kmに迫った地点で、突如としてカチューシャが集団制御権を奪い取った。2人の激坂巧者を抱えるロシアチームは、BMCを脇に押しのけると、5人体制で急激にスピードを上げた。この春のジロ・デ・イタリアで、36歳にして初めてマリア・ローザの栄光を堪能した36歳ルーカ・パオリーニが、高速で露払いを務めた。そして通常ならばリーダーが座るべき場所、つまり前から5番目につけていたのはホアキン・ロドリゲスではなく……、本来ならば山岳アシスト役のはずのモレーノだった!
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