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サイクル ロードレース コラム 2013年9月3日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第10ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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プレスリリースに登場する名前は、間違いなく、フェラーリチームに所属するF1パイロットその人のものである。アルベルト・コンタドールとも親交が深く、すでに2010年にチーム設立構想を練ったこともあるアロンソは、チーム存続のために600万ユーロ(約7億8000万)を出資するという。チーム本拠地こそ、チャンピオンの地元であり、サムエル・サンチェスの地元でもあるアストゥリアス州に移転されるそうだが、チームスタッフ全員の雇用が守られることになった。

こんな新オーナーの信頼に応えるかのように、2010年スペイン一周で大暴れしたアントンは、踏ん張った。残念ながら連日の試みは、またしても実を結ばなかったのだが……、間違いなくこの加速がモレーノを苦しめた。山頂まで6kmを残して、赤ジャージが遅れ始めた。

「集団落車が、ボクのパフォーマンスに影響したわけじゃない。単に調子の悪い1日だったんだ。暑さのせいでもないよ。だって暑いのは大好きだから。山の麓から、体に力が入らなかったんだ」(モレーノ)

すかさず、ヴィンチェンツォ・ニーバリを守るヤコブ・フグルサングが、高速リズムを刻んだ。1kmに渡って猛烈にペダルを漕ぎ、ゴール前5kmのアーチの下で、リーダーにバトンを渡した。おかげでニーバリの周りには、もはや5人のライバルしか残っていなかった。

その、直後だった。チームメートに1日中仕事をさせてきたバルベルデが、一瞬、ライバルたちから遅れを取った。

「あ、今こそ、前に突っ走るべき時だ。そう思ったんだ」(ホーナー)

第3ステージにグランツール最高齢区間勝者記録を更新したばかりの男は、ラスト4.6km地点で、思いっきり加速を切った。すぐに距離は開いた。そして、読み通り、誰も追いかけては来なかった。

「もしも小さなギャップを作り出せたら……、他の選手たちは、ボクの後ろで、戦術的な走りをするに違いないと考えたんだ。ハードに仕事をしたい人間なんて、きっと1人もいないはずだ、って。ボクは爆発的な加速力はないけれど、一旦スピードを上げたら、それをキープすることができる。だから小さなギャップさえ作り出せたら、フィニッシュラインまで高速で走り続けられることは分かっていた」(ホーナー)

戦術的な走り。つまり、ニーバリは休養日明けの個人TTで取り戻せるだろうタイムを計算しながら、走っていたのだろうか。自分でアタックを仕掛けるのは、ラスト2.5kmまであえて待ったのだと言う。しかも元チームメート(むしろ、リーダーとアシストという立場だった)イヴァン・バッソが、幾度も加速するのを利用して、ニーバリはカウンターアタックを決めた。

「自分のリズムで上るようこころがけた。飛び出して1人になってからは、ホーナーからタイムを失うこともなかった。全てをいっぺんにやるのは不可能なんだ。まだブエルタは先が長い。難関ステージもたくさん残っている。まずは水曜日に、タイムトライアルがあるからね」(ニーバリ)

山の上では、41歳と314日のホーナーが区間勝利とマイヨ・ロホをいっぺんに手に入れ、自らの持つ2つの最年長記録を塗り替えた。その48秒後には、ニーバリが単独でフィニッシュラインに駆け込んだ。総合では43秒差の2位につけた。「ボクはタイムトライアルで、ニーバリにレッドジャージを奪われるだろうね」とホーナーは少々悲観的だが、アスタナ首脳陣は「まだジャージは取り戻せないんじゃないかな。15秒以内に近づけたら、御の字だね」とのこと。

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