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サイクル ロードレース コラム 2013年9月7日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第13ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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猛スピードで一行は走り始めた。この日を逃したら、あとは8日間で6回の山中フィニッシュが襲い掛かってくる。ゴール地は、気の早い脱出計画には好都合なことに、バルセロナ空港からほんの15kmほどの街だ。何かをトライするなら、今しかない。

中途半端な起伏ステージのせいで、とてつもない緊張感がプロトンを包んでいた。スタートから10km地点、集団落車が発生した。多くの選手が地面に投げ出された。おそらく、まだ帰る予定ではなかったはずのローレンス・テンダムやパブロ・ラストラスが、負傷棄権に追い込まれた。サイモン・ゲランスも、臀部の骨に亀裂が入ったとして、大会を去った。最終的にこのステージだけで、7選手が姿を消した。

落車後に仕切り直しを終えたプロトンは、再び、激しい飛び出し合戦へと突入した。あまりにも必死に走ったものだから、集団落車や3級山岳にも関わらず……序盤1時間を集団は時速44kmで駆け抜けた!ようやく1時間ほど走った後で、バウク・モレッマやエドヴァルド・ボアッソンハーゲンを含む6人が前方へと漕ぎ出した。ところが、これはどうやら後方の気に障ったようだ。10kmほどで戦いはリセットされた。

その後も、細かいアタックには事欠かなかった。全てに決着がついたのは、ようやく、ステージを半分ほど終えた頃だった。まずはモレッマを含む6選手が前方に突っ込み、ボアッソンハーゲンはいなかったけれど……しかしスカイ プロサイクリングの2選手を連れた12人が追いついた。18選手・1

後方では、大集団ゴールの「もしかしたら」という可能性に賭けて、オリカ・グリーンエッジが総出で隊列を組んだこともあった。しかし、ゴール前50kmの1級峠は予想以上に厳しく、地元の激坂巧者ホアキン・ロドリゲスが、スプリンターたちのやる気をすっかり挫いてしまったようだ。その後はオリカに代わって、前方に1人も選手を送り込めなかったキャノンデール プロサイクリングやエフデジ・ポワン・エフエールが攻め立てた。ニーバリ率いるアスタナ プロチームも、積極的に集団先頭に陣取った。

しかし、タイム差は決して3分以上には開かなかった。2分以内に縮めまることも、また、なかった。なにしろモレッマやミケーレ・スカルポーニ、ジェローム・コッペル、ワレン・バルギルといった「本当ならば総合トップ10入りを狙いにきた選手」が、少しでも名誉を回復しようと、大いに力を尽くしたのだ。しかもイヴァン・サンタロミータ、ベナト・インサウスティ、リナルド・ノチェンティーニ、アメッツ・チュルーカ 、シャビエル・ザンディオ、エゴイ・マルティネスデエステバン等々の実力者たちも、協力を惜しまなかった。そう簡単に、つかまるはずがなかった。

エスケープの中で総合トップのスカルポーニは、10分28秒遅れだったから、結局のところ総合勢はそれほど真剣に追いかける必要もなかった。ゴール前16km、タイム差が2分半ほどの時点で、後方プロトンは追走を完全に放棄した。慌てたオメガファルマ・クイックステップが、ほんの少し牽引を見せたけれど、たいした違いは生み出せなかった。その頃には、前方集団も9人にまで人数が絞り込まれていた。

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