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サイクル ロードレース コラム 2013年9月8日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第14ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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歓喜に満ちた表情でフィニッシュラインに飛び込んだラットは、その直後に、チームリーダーの「キャリアで一番悲しい」棄権を知らされることになる。

前日まで総合3位につけていたアレハンドロ・バルベルデも、あわや、全ての努力が水の泡としてしまうところだった。オルディーノ峠からの下りで、メイン集団から大きく千切れてしまったのだ。アシスト4人がすぐに馳せ参じて、リーダーの牽引を始めたが、遅れは40秒ほどにまで広がった。

「本当に辛い1日だった。恐ろしくて、残酷で。キャリアで最もハードな日だったと言ってもいい。体が震えて、真っ直ぐ走っていられないほどだった。ペダルが上手く踏めなくて、落車しそうになったことも」(バルベルデ)

それでも、チームメートの献身的な仕事のおかげで、タイム差を徐々に取り戻して行った。体調も上向き。最終峠の麓では、バルベルデの遅れは、わずか15秒にまで縮まった。しかし、残念なことに、レディオシャック・レオパードがメイン集団で高速ペースを刻み始めていた……。

ロベルト・キセロフスキーが、総合4位クリストファー・ホーナーのために、果敢な加速を続けていた。46秒差と同タイムで並ぶバルベルデを引き剥がしたい……というのが、当初の狙いだったに違いない。ところが、クロアチアチャンピオンの強いるテンポに、ニコラス・ロッシュが耐え切れなくなった。ゴール前5.5km、31秒差で総合2位につけるアイルランド人は、ずるずると後退していった。

さらにキセロフスキーは、渾身のダッシュで、登坂発射台の役目さえ果たした。15%ゾーンが待ち受けるゴール3.5km手前で、最後の力を振り絞って、ペダルをがむしゃらに漕いだ。そして所属チームのリーダーと、ブエルタの総合リーダーのただ2人だけを、前方へと押しやった。

雨や寒さに普段からビクともしないサムエル・サンチェス、風邪気味だったにも関わらず「雨で寒ければ、全員条件は一緒!」と前向きなピノ、個人TTの好成績で勢いに乗るドメニコ・ポッツォヴィーボは、セレクションから漏れた。アンドラに居を構え、一帯の激坂を知り尽くし、ステージ半ばからチームメートを全力で走らせていたホアキン・ロドリゲスさえも、もはや力が及ばなかった。

ニーバリとホーナーの、ランデブーは山頂間際まで続けられた。道中のほぼ大半で、41歳の大ベテランが前を引き、28歳のマイヨ・ロホは後ろからプレッシャーをかけ続けた。

「2人きりになった後、心はすぐに決まった。フィニッシュラインまで、とにかく100%を尽くすこと。ニーバリを引き離せるかどうか、試すこと。自分のできる限りの力を尽くして、ニーバリを引き離そうと努力したけど、でも、彼はすごく強かった。むしろ彼と一緒に上まで走り続けられた唯一の選手になれたことを、本当に嬉しく思う。もちろんニーバリよりも前でゴールできたらステキだったけど……、ボクは今日成し遂げたことだけで満足すべきだと思うんだ」(ホーナー)

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