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サイクル ロードレース コラム 2013年9月13日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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峠道に入っても、レディオシャック・トレインの威力は衰えなかった。ヤロスラフ・ポポヴィッチ、マシュー・ブッシュ、ロベルト・キセロフスキーが、順々に41歳11ヶ月のリーダーを牽引した。

「チームはまたしても、ボクのために驚異的な仕事をしてくれた。たとえファビアン(・カンチェラーラ)がいなくたってね。ボクの側には、ファンタスティックな奴らが控えている。信じられないよ!」(ホーナー)

おかげで沖縄生まれの元ヒッピーは、「イージーに、楽しく」山を登った。前日に総合5位へのジャンプアップを成功させたニコラス・ロッシュを連れて、ラファエル・マイカがゴール前3kmで猛烈な加速を見せたとしても、「決してレッドゾーンに突入」したりしなかった。登坂口から存在感を見せ始めていたカチューシャが、3段階アタック(1.ダニエル・モレーノの飛び出し、2.エスケープから落ちてきたアンヘル・ビシオソの牽引、3.ホアキン・ロドリゲスの発射)に出たときも、「脚の調子が驚異的」だったおかげで、すぐさま正しい反応を見せた。

未知の山だったが、そんなことは構いもしなかった。ロドリゲス、そしてマイヨ・ロホのヴィンチェンツォ・ニーバリと三つ巴の戦いに持ち込んだホーナーは、ためらうことなく先頭に立って加速を続けた。他の2人は、アントンが手放したジャージを巡って、2010年にこの山で熾烈な戦いを繰り広げた経験を持つというのに!ちなみにあの日、蜂に刺されてまぶたを腫らしたロドリゲスが山頂を制し、山頂とゴールラインを混同して力を抜いてしまったニーバリは4秒差でマイヨ・ロホを手にした……。

そして最年長の男が、3年前のヒーローたちを、蹴散らかしてしまうことになる。3週目にしてもなお元気いっぱいのホーナーは、20%難勾配の直後、ゴール前800mで強烈な加速をお見舞いした!

「調子が非常に良かったから、ライバルたちからタイム差を奪うつもりだった。でもホーナーが見事すぎるほどの敏捷性を見せ付けた。彼が飛び出していった時、ボクは自分が状況を上手く掌握していると思い込んでいたんだ。でも彼は、ボクを後方へと突き放してしまったよ!」(ニーバリ)

激坂巧者プリトさえ、まったく42歳目前のアメリカ人に、肩を並べることができなかった。フィニッシュラインにたどり着いたときは、大量20秒を失っていた。

「総合順位を上げるためにずっと頑張ってきたけれど、かなり難しくなってきたね。今日はすごく苦しかった。でも、トライしなきゃならなかった。何かをしなきゃならなかった。チームプレーで、遠くからアタックを打ちに行った。でも、ホーナーもニーバリも強かった」(ロドリゲス)

だからニーバリは……この日もゴール前500mで力が抜けてしまったニーバリは、25秒もの遅れを喫した。しかも、とっくの昔に千切れていたバルベルデに追い抜かれ(20秒遅れ)、同じく「トップ5保守が目的」のロッシュにも合流された(25秒遅れ)。もちろん2013ジロ覇者は、この日も、ブエルタ総合首位を讃える表彰式へと臨んだ。ただし、この3日間で大幅に資産を食い潰した。貯金残高は3秒。マドリードまでもあと3日。

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