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集団が1つになると、プロトン前方ではとてつもないバトルが繰り広げられた。すでにスタート地からピリピリムードだったスカイ プロサイクリングは、エドヴァルド・ボアッソンハーゲンのために6人で隊列を組んだ。5月以来1度も勝っていないタイラー・ファラーを、どうにかスランプから脱出させたいガーミン・シャープは、完走組5人で全力をあわせて、肉弾戦をも辞さない覚悟で先頭を奪い取った。やはり残り5人となったオリカ・グリーンエッジも、第5ステージで大会唯一のスプリント勝利を手にしただけでは決して飽き足らず、マイケル・マシューズのために仁義なきポジション合戦に飛び込んだ。ランプレ・メリダやアルゴス・シマノ、キャノンデールやコフィディスも猛然と流れに突っ込んで……。
「チームメートたちは『ブリリアント』だったよ。最終周回は予定通りに行ったわけじゃないけど、でも完璧な動きができた。残り4kmで、サイモン・クラークが、ボクと他の2人を好ポジションへと導いた。リー・ハワードが前を引き継いで、凄まじい仕事をしてくれた。最後はミッチェル・ドッカーが、ボクの側に残った。アルゴス列車がボクらの後ろに入り込もうとしてきたから、ミッチェルが奮闘してくれた。ラスト200mで、ボクは前から2番目につけた。そして、自分のスプリントを切ったのさ」(マシューズ)
オーストラリアの「ブリン」(キラキラ)が、たった2回のスプリントチャンスを独り占めした。初めてのグランツール参加で区間2勝をあげ、ポイント賞ジャージも2日間着用。22歳の現代っ子は、「本当に素敵な大会だった!」と歓喜の声を上げた。
間もなく42歳になる大ベテランは、3秒遅れの大集団で、驚きと喜びに満ちあふれた大会を締めくくった。真っ赤な自転車に乗って、いつも通りの脱力系ウイニングポーズで、フィニッシュラインを駆け抜けた。
「ボクはかれこれ20年近くプロ選手を続けてきた。この年月は、つまり、厳しい鍛錬を続けてきた時間を意味するんだ。毎年、勝利に対してモチベーションを抱いているし、できる限り最高の自転車選手であろうと努力している。キャリアを通して、これまで何度も、勝利や表彰台を経験してきた。全ての勝利がスペシャルだ。でも今日は、本当に素晴らしい日だよ。だって、まずはこのレベルまで到達しなきゃならないし、なおかつこれほどの幸運に恵まれなきゃならないんだ。健康を維持し、タイミング悪く落車してはならない。あらゆる要素が揃った時に、初めて、勝利を持ち帰ることができるものなのさ」(ホーナー)
史上最年長グランツールチャンピオンの両脇には、28歳ニーバリと、33歳バルベルデが並んだ。この春のジロを圧勝したニーバリは、「ホーナーはスペインに来る前に、ほとんどレースをしていないよね。つまりプロトンのほかの誰よりも、フレッシュな状態だったんだ」と驚愕の初優勝を分析する。ブエルタで6枚目の賞ジャージ(優勝1回、ポイント2回、複合3回)を手に入れた「エル・インバティド(無敵)」は、「グリーンジャージは、ボクが3週間通して安定した実力を発揮している証拠」と胸を張る。両者はこの後、すぐにイタリア・フィレンツェへ渡り、代表チームリーダーとしてアルカンシェルを狙う。
一方で、生まれたてほやほやのグランツール勝者は、自宅に帰り、3人の子どもたちと戦いの記憶を語り合うのだろう。その先の予定は、いまだに決まっていない。あと2シーズンは続けたい……と、あと1ヶ月もすればもう1つ年を取るホーナーは、さらりと語っているけれど。ともかく、「ディフェンディングチャンピオン」が1年後のスペイン一周に再び乗り込んでくるのだとしたら、待ち合わせは場所は、アンダルシアのカディッツだ。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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