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サイクル ロードレース コラム 2013年9月16日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2013 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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大会最後の日曜日、気持のよい青空がプロトンの頭上に広がっていた。地獄の山から下界へと帰還し、マドリード近郊までの長い長い移動を終えた144選手は、少々眠い目をこすりながら最後の109.6kmへと漕ぎ出した。41歳のグランツール覇者クリストファー・ホーナーの顔にも、けだるそうな、しかしほっとしたような笑みが浮かんでいた。

「昨日のニーバリは、このレースを勝つために、とてつもない死力を尽くしたね。ボクにとっては、庭をのんびり散歩しているような、そんなラクな状況じゃとてもなかったんだ。今回の優勝は、これまでのボクのキャリアの中で、間違いなく最も苦労して手にした勝利だ」(ホーナー)

長老に激しく挑みかかったヴィンチェンツォ・ニーバリや、アレハンドロ・バルベルデ、ホアキン・ロドリゲス、ニコラス・ロッシュ等々も、この日ばかりは武装を解いた。マドリード市内に入場するまでは、凱旋パレードさながら、ライバルと健闘を讃えあったり、アシストたちと笑いあったり。

またグランツール最終日特有の演出として、総合リーダーを擁するチームが(つまりレディオシャック・レオパード)、先頭で全長5.7kmのサーキットへと滑り込んだ。さらには「シーズン最後のグランツール」恒例の、別れの儀式も執り行われた。チーム総合首位のエウスカルテル・エウスカディ――たしかにチームの枠組み自体は残るけれど、おそらくチーム名も、オレンジ色がトレードマークのジャージも、変わってしまうのだろう――が、9人全員でトレインを組んで、第1回目のフィニッシュラインを静かに越えた。

そんな中、スプリンターチームだけは、まるでリラックスなどしていられるはずもなかった。だって結局のところ、今大会には山頂フィニッシュばかりが11も詰め込まれていて、スプリントはたったの1度しか行われなかったのだ。このままでは、3週間苦しめられた上に、ひどくフラストレーションを抱えたままスペインを立ち去らねばならない。幸いにもマドリードの周回コースは、Uターンゾーンこそ多いものの、完璧に平坦だ。だからパレード走行中から、すでに数チームが密かに激しい場所取りを始めていた。そして1回目のゴール通過と同時に、ハビエル・アラメンディアが矢のように飛び出していくと、間髪入れずに後方プロトン内でコントロール作業へと乗り出した。

第2ステージで初逃げを打ったアラメンディアは、最後の大逃げに、マドリードの表彰台乗りをかけていた。なにしろ第7・9・17ステージと3度も敢闘賞を授与され、ついには「2013年ブエルタの大会敢闘賞にふさわしい選手は誰?」というインターネット選挙にノミネートされたのだ。ライバルはフアンアントニオ・フレチャ(第10・16ステージ敢闘賞)とエゴイ・マルティネスデエステバン(第18ステージ敢闘賞)。後から合流したアレッサンドロ・ヴァノッティと共に、最終周回を告げる鐘が鳴らされるまで、西日差すスペインの首都を先頭で爆走し続けた。

おかげでアラメンディアは、43.7%のファンから支持を得た(ラスト1kmでアタックをかけたフレチャは38.3%、マルティネスは18%)。逃げはゴール前4kmで打ち切られてしまったけれど、待望の総合敢闘賞を手に入れた。メンバー総がかりで連日逃げを打ってきたカハルラル・セグロス RGAにとっては、大きなご褒美となった。

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