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サイクル ロードレース コラム 2014年5月12日

ジロ・デ・イタリア2014 第2ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ラスト1kmのアーチは、ジャイアント・シマノ列車が先頭でくぐりぬけた。ゴール前300mの最終カーブは、オリカ・グリーンエッジがトップポジションで突っ込んだ。真っ先にスプリントを始めたのは、FDJのブアニだった。「ちょっとタイミングが早すぎた。でも目の前を走っていたオリカの選手が、急に脇へと退いたから、ボクには加速するしか選択肢がなかったんだ……」と、肩をすくめたフレンチスプリンターは、キッテルにするりと脇を抜かれた。列車役のベルト・デバッケルに言わせると、「ラスト1kmからの喧騒で、マルセルは背後から滑り落ちてしまった」そうだけれど……。

「確かに少し孤立してしまったけど、それでもラスト数百メートルでなんとか追いついた。上手くやれて本当に嬉しいよ。ボクにとってはもちろん、チームにとっても、素晴らしいジロのスタートを切ることができた」(キッテル)

初めて出場したジロ・デ・イタリアの、初めてのスプリント機会で、キッテルは見事に1勝目をさらい取った。2011年ブエルタ区間1勝、2013年ツール区間4勝に続いて、これで3大グランツール全てで区間勝利を手に入れたことになる。

「本当に誇らしいね。ボクの周りには常にチームメートがいて、そんな彼らがボクを全3大ツールでのステージ優勝へと導いてくれたこと、そのことがなにより誇らしい」(キッテル)

ポイント賞ジャージもキッテルのもとに舞い降りた。難関山岳ステージの多いジロで、スプリンターが守り続けるのが非常に難しい、キング・オブ・スプリンタージャージ……。ところが、スプリンターに朗報!

1年前、マーク・カヴェンディッシュがなんとかマリア・ロッサを最終日まで持ち帰った時は、全てのステージ勝者に25pt、中間ポイント首位通過者に8ptが与えられるシステムだった。しかし今年はポイント配分に大幅な変化が加えられた。例えば平坦、もしくは比較的平坦なステージ(2、3、4、7、10、13、17、21)では、ステージ勝者に50pt、中間ポイント勝者に20ptが与えられる。一方で超級難関フィニッシュではそれぞれ15pt、8ptのみ。つまり……山頂フィニッシュの多いジロで、ピュアヒルクライマーがうっかり「キング・オブ・スプリンター」ジャージを勝ち取ってしまう危険性は大幅に減ったというわけ。2年前の、最終日わずか2日前にカヴがジャージを失ってしまったような、悲劇が繰り返されることはなさそうだ。トップスプリンターたちによる「自発的途中リタイア」も、おかげで食い止めることができるかもしれない。

マリア・ローザはタフトのもとから、チームメートのマイケル・マシューズの肩へと移譲された。ヒカリモノが大好きで「ブリン(キラキラ)」とあだ名される23歳は、おしゃれなばら色の服に着替えると、スパークリングワインのキラキラする泡を笑顔で撒き散らした。

「信じられないような気分だよ。どんなに素敵な気分か、上手く言い表せないよ。スヴェインからピンクジャージを引き継ぐことが出来て、すごく誇らしいし、なにより初めてのジロでリーダージャージを着ることができたなんて、とんでもない特権だよね」(マシューズ)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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