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大会2度目の休養日を翌日に控えた、大会2度目の日曜日。アイルランドから走り出したプロトンは、9日目にして、ようやく逃げ切り勝利を許した。いずれにせよ、多くの選手たちが、朝からエスケープ入りを狙っていた。
「完璧な1週間を過ごしてきたよ。でも、ずっと前を引いてきたせいか、昨日はちょっと疲れを感じていた。でも、ボクは総合争いに来ているわけじゃないからね。むしろタイムを失って、今日に備えることにした。だって今日はきっと、逃げ切りが決まると思ったから」(ウェーニング)
そんな予感を胸に、選手たちは50kmにも渡る熾烈なアタック合戦を繰り広げた。見事に勝ち抜いたのは14選手。全参加22チーム中13チームの代表が前方へと進み出て、特別に2人もぐりこめたのはアンドローニジョカットリのみ。しかも個人総合の上から5番目までの選手は、チームメートを一切前に送り込まなかった。ついでに言うと、総合順位で最も上位につけるのは、9分27秒差のダヴィデ・マラカルネだった。ちなみに前述のウェーニングは、第7ステージ終了後の4分55秒遅れから、前夜一気に26分18秒遅れへとタイムを落としていた。比較的偏りの少ない、総合争いにも危険を及ぼさない、パーフェクトなエスケープ集団が出来上がった。
おかげでメインプロトンを静かに制御するBMCレーシングチームから、最大8分のリードを許された。ステージ半ばで、前方に1人も送り込めなかったガーミン・シャープが、少々スピードアップを試みた時もあった。ただ、ほんの短時間で、2012年大会王者ライダー・ヘシェダル擁するアメリカチームは、追走を放棄したけれど。
14人の集団は、いつまでも、仲良くリレー交替を続けていたわけではない。ゴール前50kmでタイム差は6分30秒。逃げ切りがほぼ確実になってくると、徐々に雰囲気はざわつき始めた。足並みは揃わなくなったが、数人の選手が、口を揃えて証言している。先頭を引かずに足を「貯める」選手が出てきた。抜け駆けアタックがかかったかと思えば、牽制合戦でスピードが緩んだり。ひどく難しくなってきた――。
ラスト18km。頂上フィニッシュへと続く最終峠の麓で、やはり「集団の連携が悪くなってきたな……」と感じたピーター・ウェーニングが、猛スピードで飛び出した。1人で山頂まで行くつもりだった。しかし、ほんの数キロ先で、マラカルネが合流してきた。
「どうやってもダヴィデを振り払えなかった。ゴール前7km地点で、すごく勾配の高いゾーンがあったから、そこでも努力したんだけど……。どうしても、距離をあけることができなかった」(ウェーニング)
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