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サイクル ロードレース コラム 2014年5月25日

ジロ・デ・イタリア2014 第14ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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はるか後方では、オメガファルマ・クイックステップが、ピンク色のリゴベルト・ウランを大切に守りながら淡々と集団制御に励んでいた。その単調なリズムを破るように、ゴール前55km、チーム ユーロップカーが戦いの口火を切った。2級ビエルモンテの峠道で、ピエール・ローランとビョルン・トゥーラウが、まるで2人乗り自転車タンデムのように足並み揃えて飛び出した!プロトン内で密かに機会をうかがっていた選手にも、攻撃の炎は燃え移った。数キロ後にはガーミン・シャープのタンデムが発射された。ネイサン・ハースの背中に張りついて、2012年ジロ覇者のライダー・ヘシェダルがアタックを打った。

その後に合流したローランとヘシェダルは、協調し合って、せっせと先を急いだ。さすがに逃げ集団は捕らえられなかったけれど、メイン集団から追いつかれることもなかった。おかげでローランは5分45秒差の総合12位から、5分09秒差の9位へジャンプアップ。ヘシェダルは16位から12位へと歩を進めた。

トレックファクトリーレーシングも、一気に攻撃を畳み掛けた。逃げ集団にはダニーロ・ホンドを送り込んだ。ゴール前70kmの1級アルペ・ノヴィエス峠では、別府史之が積極的に集団の前を引いた。ローラン&ヘシェダルの試みに呼応するように、リカルド・ツォイドルも前に飛び出した。そして最終峠に突入した瞬間から、青ジャージ姿のジュリアン・アレドンドが、ロベルト・キセロフスキーを従えて、メイン集団の牽引に取り掛かった。

「今日のチームオーダーは、とにかく1級峠で前を引いて、リカルドとロベルトのための準備をすること。逃げにも乗れたら乗るよう言われていたけれど、21人に行かれてしまったから……。だからその分、プロトン内で精一杯仕事をしよう、と頑張った」(別府史之)

コロンビア人アレドンドの猛加速が、メイン集団を一気に絞り込んだ。そしてマリア・ローザのコロンビア人リゴベルト・ウランが、集団内で少々控え目にしているのを見て取ると……、やはりコロンビア人のナイロ・キンタナとイタリア人ドメニコ・ポッツォヴィーボが動いた。AG2Rのアシスト2人に猛然と前を引かせた後、総合4位ポッツォヴィーボはついにアタックに転じた。6位キンタナもすぐに張り付いた。

山岳アシストのワウテル・ポエルスに引かれて、ウランも懸命に前を追った。しかし総合5位ウィルコ・ケルデルマンに飛び出され、7位ファビオ・アールと3位ラファル・マイカに突き放され、ゴール前の直線では2位カデル・エヴァンスに置き去りにされ……。まあ、つまりのところ、総合2位〜7位の選手から、ウランはことごとくタイムを失った。最少の損失が5秒(エヴァンス)、最大が25秒(キンタナ)。不幸中の幸いは、誰かの手にボーナスタイムが渡らなかったこと。マリア・ローザを32秒差で守りきったこと。

「エスケープが逃げ切ってくれて、本当に良かったよ。ボクは常にチームメートに囲まれて、調子よく走ることができたし、何の問題もなかった。すでにボクはグランツールを何度も走ってる。だから何が一番大切なのか、分かっているんだ。それは3週間安定した力を発揮すること。うん、確かに今日、ボクはタイムを失った。でも、それが何だって言うんだろう。ボクのすべきことは、マリア・ローザでレースの最後を迎えることであって、全部のステージで己の力を見せ付けることじゃない」(ウラン)

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