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サイクル ロードレース コラム 2014年6月2日

ジロ・デ・イタリア2014 第21ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ラスト3周に入ると、周回コース中盤の小さな丘を利用して、ステファノ・ピラッツィ、ヴァレリオ・アニョーリ、カルロス・キンテロもアタックを仕掛けた。前を行く2人を捕らえたが、スカイの奮闘で、5人全員がラスト2周回で回収された。激坂ゾンコランで悔し涙を流したフランチェスコ・ボンジョルノが、スプリントステージでリベンジを試みたこともあった。そしてゴール前3km、上りでサムエル・サンチェスに引かれたダニエル・オスが、下りで特攻を仕掛けると……、いよいよジャイアント・シマノが本格追走に乗り出した。そして、ゴール前1.2kmで、グルッポ・コンパット。プロトンはひとつの塊となって、大会最後の集団スプリントへと雪崩れ込んで行った。

ラストバトルは、なかなかのカオスだった。誰もがブアニの後輪に入りたがった。ルカ・メズゲッツにタイラー・ファラー、エリア・ヴィヴィアーニが場所取りに夢中になり、軽い幅寄せや、あわや肘打ちという場面さえ見られた。

「最後の5、600mは熱かったね。500mで好ポジションに入れたと思ったのに、左側から選手たちが上がってきた。ラスト350mの時点では、もうダメかと思ったよ。周りを完全に囲まれてしまったから。だけど右側に隙間を見つけた。そこへ突っ込んだ。隙間が閉じてしまわぬよう、ひたすら祈りながら」(メズゲッツ)

幸いにも、門は閉ざされなかった。メズゲッツは上手く前方へとすり抜けると、フィニッシュラインへと先頭で飛び込んだ。3週間前にはマルセル・キッテルの区間2連勝をお膳立てした25歳が、この日は自らがグランツール初勝利をつかみとった。しかも母国スロベニアから、ほんの10kmほどしか離れていない、国境の町トリエステで!

「このジロは、チームみんなで素晴らしいスタートを切って、そして、勝利で締めくくった。本当に嬉しい。今日はスロベニアからたくさんのファンが観戦に来るだろうと思っていたから、すごく勝ちたかった。でも同時に、少しプレッシャーも感じていたんだ。それでも最後はなんとか上手くやってのけたよ!」(メズゲッツ)

ブアニはあらゆる危険を回避して、無理せず4位に滑り込んだ。「区間1勝を目当てに乗り込んできた」というのに、終わってみれば通算3勝に赤ジャージ。フランス人としては、1999年ローラン・ジャラベール以来となるジロ・デ・イタリアのポイント賞受賞だった。4度目のグランツール参戦で、初めての完走も嬉しかった。ちなみにニッツォーロは今大会4度目の区間2位に終わっている。

区間勝者から9秒遅れの集団では、キンタナが、ガッツポーズで喜びを爆発させていた(ちなみに分断のせいで、総合2位リゴベルト・ウランから9秒を失った)。生まれて初めて参加したジロで、24歳の若者が、初めてのグランツールタイトルをつかみとった。なにより母国コロンビアに、史上初めてのマリア・ローザをもたらした。会場に詰め掛けたファンたちと一緒に、隣に立つ同朋ウランと共に、コロンビア国歌を熱唱した。妻のパオラさんが優しく見守る中、愛娘のマリアナちゃんを腕に抱いて。

「とてつもない感動に襲われている。体中を駆け巡るこの思いを、どう表現したらいいのか分からない。たくさんの人々がお祝いに駆けつけてくれた。イタリア人、コロンビア人、そして家族……。本当に素敵だよ。このジロでは多くのことを学んだ。そして、大いに苦しんだ。想像していた以上にね。しかも体調不良のせいで、ボクは100%じゃはなかった。ポテンシャルの60%くらいしか出せなかったように感じているよ」(キンタナ)

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