人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2014年7月7日

ツール・ド・フランス2014 第2ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

英国に灰色の空が戻って来た。マーク・カヴェンディッシュはスタート地に現れたが、沈鬱な表情で、母国のファンとツールに別れを告げた。

「いつもなら、手厳しい一発を喰らっても、上手く立て直して反逆に向かえるんだけど。でも昨日、地面に転がり落ちたとき、なにかいつもと違う感触があった。ダメだ、とすぐに悟った。でも、明朝にはきっと腫れは引いてるさ、ってあくまで前向きな気持を持ち続けた。ただし、実際は、悪化してた。最悪のシナリオだ。ひどく失望しているよ」(カヴェンディッシュ、囲みインタビュー)

鎖骨を脱臼し、おそらく手術の必要があるという。外科手術を受けた場合、リハビリ期間は約6週間。冬季間にスプリント列車を大幅に補強し、ジロをあえて欠場し、英国で幕を明けるツールの初日優勝・初日マイヨ・ジョーヌを追い求めてきたカヴは、わずか190.5km走っただけで夢から醒めた。残り3週間の戦いは、テレビ観戦することになった。

失意のカヴを残して、197人のプロトンは風の強い丘陵地帯へと走り出した。コース発表時から今ステージは「ミニ・リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ」と銘打たれていたけれど、むしろ「ミニ・アルプスステージ」と呼ぶ方がふさわしかったかもしれない。だってファンの多さはラルプ・デュエズに引けを取らぬほど多かったし、……マイヨ・ジョーヌ本命や総合上位候補たちが、ちょっとした真剣バトルを見せてくれたから!

ステージ前半は7人のエスケープが盛り上げた。山岳ポイントのたびにスプリントを試みたシリル・ルモワンヌが、赤玉ジャージ着用の権利を手に入れた。しかしステージ全体に散らばる9つの丘陵のうち、5つがぎゅっと詰め込まれたラスト60kmに向けて、徐々に、そして確実に、メイン集団はタイム差を縮めて行った。予定通りにゴール前60km前後で7人中6人が吸収され、最後まで粘ったビエル・カドリもまた、ゴール前36km地点で呑み込まれた。

メイン集団……とは、ここまでは、いわゆるマイヨ・ジョーヌ集団のことである。ここから先は、残念ながら、先頭集団からマイヨ・ジョーヌは姿を消す。ピュアスプリンターのマルセル・キッテルは、ゴール前61km、アルデンヌクラシック風の起伏に飲み込まれていった。フィニッシュまでの残り距離は、割れんばかりの歓声を聞きながら、心静かに黄色のジャージを満喫した。最終的には区間首位から19分50秒遅れでゴールラインを越え、前夜のスプリント勝者は、たった1日でリーダーの座を下りた。

代わりに「メイン」の座にのし上がろうと企てたのが、キャノンデールだ。繰り返す起伏の波に、すでに大多数のスプリンターは後方へと消えていた。一方で新人賞の白いジャージを身にまとうペーター・サガンは、集団前方にしっかりと居座り、チームメートたちにきっちりと牽引を行わせた。2010年にプロ入りして以来、春先は石畳クラシックを重点的に転戦してきたため、実のところサガンがリエージュ〜バストーニュ〜リエージュを走ったことはない。ただアムステル・ゴールドレースには3度参戦して3位入賞、フレッシュ・ワロンヌは昨季初出場で12位に食い込んでおり、むしろLBL風アップダウンは大好物。区間勝利を手に入れて、未だ袖を通したことのないイエロージャージを手に入れる絶好のチャンスだった。

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ