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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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恐ろしい石畳ステージは乗り越えた。「とりあえず生き残った」(ブライアン・コカール)、「落ち着いて平静な気分」(ヴィンチェンツォ・ニーバリ)と、ほっとした気分を抱える選手も多かった。ただし、アスファルトの平坦路だからといって、ちっとも安心はできなかった。空気はまるで初秋のように冷たく、数日前から降り続く雨のせいで、路面はしっとりと濡れていて……。
当然のように194kmのステージ全体を通して、落車が相次ぐことになる。フレンチトリコロールをまとうアルノー・デマールは、ステージ半ばで地面に転がり落ちた。マイヨ・ヴェール用ポイント取りに連日励むコカールは、中間スプリントポイントにたどり着く前に、やはり軽く落車している(おかげでポイント収集に向かえなかった)。その緑ジャージを身にまとうペーター・サガンも、石畳ステージでは1度も転ばなかったのに、この日はアスファルトに体中を削られた。前日のリアイアがクリス・フルーム1人だけだったのに対して、今ステージは3人が途中リタイアを余儀なくされた。アルベルト・コンタドールの親友であり、アマチュア時代からかれこれ8年間チームを共にしてきたヘスス・エルナンデスは、救急車に乗って大会を去って行った。
難を避けるように、スタートと同時に飛び出したのはトム・リーザー、ジェローム・ピノー、アルノー・ジェラール、そして今大会2度目のロングエスケープとなるルイス・マテマルドネス。チームの仲間シリル・ルモワンヌの山岳ジャージを守ろうと、マテマルドネスが2つの4級峠でポイント収集に向かった以外は、4人は冷たい雨の中を協力し合って走り続けた。しかし後方から奪えたリードはたったの4分前後。後方プロトンが、かなりの序盤から、スピードコントロールを始めたせいだった。しかも主導権を握ったのは、スプリント3戦3勝を誇るジャイアント・シマノ!
ハットトリック中のマルセル・キッテルは、前日に2度の落車を喫していた。ふくらはぎを軽く痛めた。高速列車の一員であり、時にはリーダーでもあるジョン・デゲンコルブも、やはり落車の犠牲となった。臀部筋肉の2センチ断絶と診断された。それでも、オランダチームは、いつも通りスプリントへと突っ走った。だってこの第6ステージを逃したら、しばらくは純粋なるスプリント機会はやってこないはずだから(次回は第15ステージ?)。散々議論を呼びながらも、結局のところ、チームはスプリンター系選手しかつれてこなかったから。山岳巧者ワレン・バルギルや、オールラウンドにこなせるヨハンネス・フレリンガーは、9人のメンバーから外された。だからジャイアント・シマノに、平地ステージで仕事をしない選択肢など、なかったのだ。
一方で、やはり連日大いに働いてきたロット・ベリソルは、この日は少々控え目に立ち回った。「ギャンブルだった」と、アンドレ・グライペルは優勝記者会見で語った。
「前を引ける選手がいつもより2人、いや、1人半少なかったから。グレゴリー・ヘンダーソンが棄権して、ラルスイティング・バクは昨日の落車で体を痛めていたからね。まだパリまで道のりは長いのだから、無理しないことにした。それにジャイアント・シマノは、3勝を挙げた最強スプリンターがいるんだから、率先して働くべきなんだ。だから今回、ボクらは戦法を変えたんだ」(グライペル、公式記者会見より)
せっせと働くジャイアントvsポーカーゲームのロットの争いに、オメガファルマ・クイックステップが突如として殴り込みをかけた。エーススプリンター、マーク・カヴェンディッシュのいないチームは、それでも、平地ステージ勝利の可能性を諦めていなかった。特にこの日のフィニッシュ地ランスは、2010年大会でアレッサンドロ・ペタッキが勝利をさらい取った縁起のよい土地(トニー・マルティンとマーク・レンショーにとっては、カヴを勝たせて上げられなかった忌まわしい場所だけれど)。ステージも残り3分の1。加速装置をオンに入れると、猛然と前方を引き始めた。
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