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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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スタート地のあちこちから、シャンパンで乾杯する陽気な声が聞こえてきた。雨は上がった。ステージ序盤は寒さと風に悩まされたものの、ゴールが近づくにつれて気温は徐々に高まり、太陽も顔を出してきて……。観客や関係者たちは、ようやくツールらしい楽しげな雰囲気を満喫した。プロトン内の選手たちは、あいもかわらず、ストレスいっぱいの1日を過ごすことになる。
234.5kmのひどく長いステージだった。スタートから9km地点でアレクサンドル・ピショ、マシュー・ブッシュ、ニコラ・エデ、マルティン・エルミガー、バルトス・フザルスキー、アントニー・ドゥラプラスが抜け出したあと、しばらくプロトンは落ち着いてペダルを回した。あっさり4分半ほどのリードを与えた。
しかし、静かな時間を満喫できたのは、ほんの1時間ほど。キャノンデールが全員でトレインを組み、集団先頭で高速テンポを刻み始めたのだ!理由は、そろそろ、ペーター・サガンを勝たせたかったから。マイヨ・ヴェール争いは2位以下に80ポイントものリードをつけて、すでに安楽椅子に深々と座っている。リーズでの開幕ステージ以来、2位→4位→2位→4位→4位→5位と、全ステージでトップ5位以内に食い込んできた。しかし、区間勝利が、どうしても手に入らなかった。
今ステージには最終20kmに2つの峠が待ち構えていた。ピュアスプリンターは間違いなく生き残れない。すなわちサガンにとっては絶好のチャンスだった。「言ってみればここまで全てのステージが、ボク向けのステージだったけどね」。スタート直前、フランスTVのインタビューに答えたスロヴァキア人にとっては、ヴォージュ山岳3連戦突入前最後のチャンスでもあった。
2013年第7ステージにも、キャノンデールは100kmを超えるロングスプリント列車を走らせ、サガンに区間1勝をもたらしている。この日もまた、疲れ知らずのアシストたちは、長時間に渡ってメイン集団を引っ張り続けた。確実に前方の6人との距離を縮め、プロトン後方から邪魔者を少しずつ千切っていった。もちろん途中では中間ポイントを7pt懐に入れるのも忘れずに。最後まで粘ったマルティン・エルミガー、バルトス・フザルスキーは、ゴール前18kmできっちり回収した。
コントロールは順調に進んでいた。上りでトマ・ヴォクレールが飛び出すと、オメガファルマ・クイックステップやオリカ・グリーンエッジが、一緒になってアタック潰しに動いてくれた。下りでは「新人賞ジャージ代理」ミカル・クヴィアトコウスキーや、「プロトン一の下り巧者」ヴィンチェンツォ・ニーバリが、高速ダウンヒル合戦を繰り広げたこともあった。しかしゴール前5.5kmの4級峠上りで、再びキャノンデールが場を鎮めた。アシストたちの懸命の動きに、ここまで問題はなかった。
2つ目の4級峠てっぺん付近で、サガン本人が、フレフ・ヴァンアーヴェルマートと共に仕掛けた。ところが、下り始めた両者の間には、少々のためらいが見られた。
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