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サイクル ロードレース コラム 2014年7月13日

ツール・ド・フランス2014 第8ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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27歳フランス人には、計画を最後まで遂行する脚があった。シャヴァネルを完全に置き去りにし、恐れていた若者を着実に引き離した。山岳ポイントを積み上げて、1年前の第7ステージに続く赤玉ジャージも確実にした。ときには急勾配に苦しめられたけれど、雨のラ・モズレーヌ山頂へ向かって我慢強くペダルを漕いだ。ゴール前800mで「勝った」と聞かされた時には、「集中力を切らしてはならない」と気持を引き締めた。ライン200mまで我慢して、ようやく喜びを爆発させた。初めて手に入れたツール区間勝利だった。これはまた、2014年ツール・ド・フランスにおける、初めてのフランス人勝利だった。7月14日=革命記念日より2日早く、フランスに栄光の日が訪れた。

後方で淡々と走ってきたメイン集団は、ゴール前35km、攻撃モードに切り替えた。ニーバリは黄色いアノラックを脱ぎ捨てた。いよいよ山へ向けた戦いの火蓋が、切って落とされた。

まずはカチューシャがスピード牽引に取り掛かった。ジロを落車リタイアし、ツールは「ブエルタに向けたリハビリ」代わりに出場しているホアキン・ロドリゲスに、区間勝利のチャンスをもたらすため?ただし肝心の「プリト」は、ちょうどカドリが単独アタックをかけたあたりで(つまり1つ目の山で)、メイン集団から滑り落ちた。ガーミン・シャープも総がかりで猛牽引を行った。前日スプリント中に落車したアンドリュー・タランスキーを、好位置に連れて行くため?しかし2つ目の山からの下りで、マイアミっ子は再び落車の犠牲となった。前日失ったタイムはゼロだったけれど、この日は総合ライバルたちから2分以上の遅れを喫した。

ヴォージュ山塊での犠牲者は2人だけではない。ミカル・クヴィアトコウスキーは、1つ目の峠で早くも遅れ始めた。2つ目の峠の16%ゾーンでは、激坂が苦手なピエール・ローランが減速した。最終峠ではユルゲン・ヴァンデンブロックがついに耐え切れなくなった。アスタナのアシスト隊も苦しんだ。石畳で驚異的な仕事を成し遂げたヤコブ・フグルサングが、先頭集団のリズムについていけなくなった。リーダーのニーバリを前に残したまま、タネル・カンゲルトが減速してフグルサングを待つ、という奇妙なシーンも見られた。

「フグルサングはここ数日すごく働いていたし、昨日もちょっと調子を落としていたんだ。でも、チームメート全員がステージ全体を通して良い仕事をしてくれたし、それにボクの側にはミケーレ・スカルポーニがついていたから、問題ないと思ってね」(ニーバリ、公式記者会見より)

一方のティンコフ・サクソは、恐るべき山岳列車を走らせた。山に入る前の平坦ではマッテオ・トザットが戦車のように突き進んだ。山に入ると、大会前に急遽呼び出されたラファル・マイカが、長らく先導役を務めた。2012年ブエルタ時にも見せたように、献身的に。雨の下りは、雨のジャパンカップを制した(後にタイトルは剥奪された)マイケル・ロジャースの担当だった。最終峠の、勾配のキツイゾーンでニコラス・ロッシュが最後のひと踏ん張りを終えると、リーダーのアルベルト・コンタドールがスピードを上げた。前方でカドリが独走勝利を満喫しているちょうどその時に……。

「前方で1人逃げている選手が、逃げ切れる位置にいるのかどうか、確信がなかった。だから最後まで、追走も諦めなかった。でも、差が2分あると知って、さらには、その選手がすでにゴールしたことを知った。だったら最後はライバルを振り払うために全力を尽くそう、って決めたんだ」(コンタドール、個人プレスリリースより)

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