人気ランキング

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

メルマガ

お好きなジャンルのコラムや
ニュース、番組情報をお届け!

メルマガ一覧へ

コラム&ブログ一覧

サイクル ロードレース コラム 2014年7月14日

ツール・ド・フランス2014 第9ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
  • Line

フランスの栄光の日々は続く。昨ステージはフランス人が今大会初の区間勝利を上げた。革命記念日の前夜には、フランス人がマイヨ・ジョーヌを手に入れた。フランス人にとって1年で1番誇らしい日に、つまりフランス人が、黄色の素敵な上着でツール・ド・フランスを走るのだ!

どこからどう見ても100%エスケープ向きのステージだった。スタートから道は上り始め、スタートから大規模のアタック合戦が巻き起こった。そんな中で、チーム ユーロップカーが、とてつもない賭けに出る。

総合リーダーのピエール・ローランは、すでに総合で7分34秒差を喫していた。スプリントリーダーのブライアン・コカールは、ポイント賞争いで総合2位につけるが、首位ペーター・サガンにはすでに111ptもの大差をつけられている。第2ステージでペーリ・ケムヌールが、第4ステージでトマ・ヴォクレールが、第7ステージでアレクサンドル・ピショが大逃げにトライしたが、ヴォクレールが敢闘賞を手に入れただけ。第2ステージではピエール・ローランが、第8ステージではヴォクレールとシリル・ゴチエが終盤にアタックをかけたが、いずれも実を結ばなかった。第7ステージではそれでも、チーム区間首位の栄光を味わったけれど……。だれもが胸の奥で、フラストレーションを感じずにはいられなかったはずだ。

「昨日はゴールまで行くエスケープに入り損ねた上に、ボクがタイムを失った。だから正直にいうと、ホテルでの夕食は、みんな、苦々しい顔をしていたよ……。だから、ボクは、リーダーとしてみんなに言ったんだ。『顔を上げて行こう。みんなで逃げを打とう。ボクも前に行く。そして戦線に復帰しようじゃないか』って」(ローラン、ゴール後インタビューより)

こうして大会が始まって9日目、フランスで迎える初めての日曜日、緑のフレンチチームはいつも以上に激しくスタートから攻め立てた。

フィニッシュ地アルザス地方で生まれたヴォクレールが、口火を切った。すぐに25人の集団が出来上がると、ヴォクレール+ケムヌール+ゴチエの3人が滑り込んだ。この企みは飲み込まれ、代わりにトニー・マルティンとアレッサンドロ・デマルキが飛び出した。すると再び、ユーロップカーは必死の作業に取り掛かった。こうして出来上がった28人の追走集団に、ピエール・ローラン+ケムヌール+ゴチエ+ピショ+ケヴィン・レザと……ユーロップカーが5人!

「トマ(ヴォクレール)と、ピエール(ローラン)と、シリル(ゴチエ)がとにかく乗れたらいい、っていう指令だったんですけど……。みんなどんどん行っちゃって!!」(新城幸也、ゴール後インタビューより)

結局のところはマルティンとデマルキの2人組に、いや、正確に言えば世界選手権タイムトライアル3連覇中の怪物に、追いつくことはできなかった。コース上には厳しい上りが6つ控えていたけれど、つまりは高速ダウンヒルのチャンスも6回あったということだ。上りでは淡々と高速リズムを刻み、下りでは危険を恐れず、2vs20人以上という数的ハンデをまるでものともせずにリードを順調に開いて行った。

しかも1級マークシュテインの上りで……、つまり、ゴールまでいまだ59kmを残した地点で、猛烈なアタックでデマルキを振り切ると、大好きな独走態勢へと切り替えた。幸いにもラスト20kmはほぼ完全なる平地。マルティンはただ、いつもの通りに、規則正しくペダルを回すだけでよかった。

「自転車界で、こんなことができる選手は、そうたくさんはいないと思うよ。でも、ボクはこんな風にしかできないんだ。だってボクはビッグアタックや駆け引きのできる脚を持っていないから。むしろ距離を開いて、タイム差をつけてからが、ボクにとってレースの時間なんだ!」(マルティン、チームリリースより)

  • Line

あわせて読みたい

J SPORTS IDを登録すれば、
すべての記事が読み放題

J SPORTS IDの登録(無料)はこちら

ジャンル一覧

J SPORTSで
サイクル ロードレースを応援しよう!

サイクル ロードレースの放送・配信ページへ