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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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ツール・ド・フランス2014、序盤から落車に見舞われたフルームは、第5ステージ途中でリタイア。前年覇者の離脱は残念ですが、8月23日に開幕するブエルタ・ア・エスパーニャでの活躍に期待しましょう。 さてツール・ド・フランスは、よりし烈な総合優勝争いが展開されそうです。そのキーポイントになりそうなのが、常に安定した結果を残すこと。特にフルームのように、山も平地も得意なオールラウンダーであることは、とても重要な要素です。 ただ、フルームのようなオールラウンダーになるのは非常に難しいと言えるでしょう。平地でのスプリント能力を上げるには、ハイパワーな出力が必要となります。そのためには大きな筋肉をつけなければならず、体重も重くなります。山を駆け上がるのに、大きくなった筋肉や体重は逆に不利な要因となってしまいます。筋肉をあまり大きくせず、出力はなるべく落とさないようにする。オールラウンダーになるためには、筋肉の「質」が大きなカギとなるようです。今回はクリス・フルームの筋肉を科学的に紐解きます。
3つのタイプに分かれる筋線維
筋肉に興味のある方は、「短距離選手などスピード/パワー系のアスリートには速筋線維が多く、マラソン選手など持久系のアスリートには遅筋線維が多い」ということはご存じだと思います。私達の筋肉は、何千本も束になった筋線維により構成されており、それぞれ性質が異なる3つのタイプに大別することが出来ます。それが、前述した速筋線維と、遅筋線維と中間筋線維の3つ。筋肉自体の性質は、個々人の筋肉を構成する筋線維タイプの比率により決まります。一般に、自転車ロード競技は長時間にわたる競技時間や、同様の筋活動の繰り返しという活動特徴を持つことから、持久的な活動に優れている遅筋線維を多く持つ選手が、有利であると考えられてきました。
オールラウンドでないデータ
残念ながら最近のフルームの筋線維タイプを調べた報告はなく、フルームの筋肉(特に脚の骨格筋)が持つ特徴に関して、明確なことはわかりません。しかし、フルームについて調べた様々なデータより、彼の筋線維タイプを推測することが出来ます。下の表をご覧ください。
「無酸素性パワー」と「20分間ペダリングにおける出力」の数値において、フルームの能力はツール・ド・フランス歴代優勝者に比べても非常に高い数値を示します。しかし、「60分間ペダリングにおける出力」と「最大酸素摂取量」においては、歴代優勝者達よりも少々優れているレベルにとどまっています。つまり、彼の筋肉は持久的な要素に関して、抜群に優れているわけではないことが言えます。フルームはトップレベルのサイクリストの中では、スピードから持久力まですべてを網羅する、オールラウンドな筋線維タイプを有しているわけではないと言えるでしょう。
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