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サイクル ロードレース コラム 2014年7月17日

ツール・ド・フランス2014 第11ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「マイヨ・ジョーヌに関しては、数日前から狙っていたからね。あの日は1日中、そのことばかりを考えていた。でも今日はフィニッシュライン100m手前まで、勝てるとは思ってもいなかった。無線からは『行け、行け、突っ込め!』っていう声が聞こえてきた。それにしても、ライン手前で吸収されてしまう場面を、これまで何度見てきたことだろう……」(ギャロパン、公式記者会見より)

世界中の自転車ファンが目にしたのは、わずか数十メートルで逃げ切った、ギャロパンの勇姿だった。ゼロ秒差で集団が滑り込んできた。サガンは区間9位で戦いの1日を終えた。マイヨ・ジョーヌのヴィンチェンツォ・ニーバリは「移動ステージになると思ってたのに、1日中全速力だから、ホント、疲れたよ」(公式記者会見より)と苦笑い。サガンが区間勝利を逃したせいで、第12ステージは再び猛スピードのステージが予定されている。

ぎりぎりの逃げ切り劇が決まった、はるか後ろでは、アンドリュー・タランスキーが孤独な旅を続けていた。ガーミン・シャープの総合リーダーとして乗り込んできたアメリカ人は、第7ステージのスプリント時に落車。さらに第10ステージ終盤の下りでは地面に激しく転がり落ちた。背中に強烈な痛みを抱えていたと言う。そしてゴールまで85kmを残した地点で、集団から置き去りにされた。幾度もチームカー内の監督と話し合い、自転車を降りたことさえあった。リタイアも考えたはずだった。しかし、最後まで、1人で走り続けることに決めた。時に泣きながら、ゴール地を目指した。

「ゴール地のみなさん、レースはまだ終わっていません。最後の1人がやってきます。どんなに苦しくても、最後まで必死に走り続ける、これもまたツールなのです。アンドリュー・タランスキーに、暖かい応援をお願いします!!」

今ツール限りでマイクを置くレースコメンテーターのダニエル・マンジャスは、会場の観客に何度もこう語り続けた。ギャロパンから32分05秒後、タランスキーはゴールラインを越えた。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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