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サイクル ロードレース コラム 2014年7月17日

ツール・ド・フランス2014 第11ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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休養日前日にチームリーダー、コンタドールを落車リアイアで失ったロッシュは、やはりカヴ抜きで健闘を続けるオメガファルマ・クイックステップのヤン・バークランツと一緒に、突如として前方へ走り出た。これを合図に、大小数々のアタックが発生する。ペーリ・ケムヌールに引かれてピエール・ローランが飛び出しを試みたことさえあった。さらにはシリル・ゴチエ、ヘスス・エラダも集団の隙をついて突進。すでに前方で1人になっていたエルミガーに、ロッシュ、バークランツ、ゴチエ、エラダが追いついた。

実力者5人組だからこそ、なおのこと、サガン親衛隊が遠くへ逃がすわけがなかった。吸収寸前のゴール前21.5km、ロッシュが最後の力を振り絞って逃げを引き伸ばすが、5km先で果敢な独走は終了した。最後の3級峠の下りで、サガン……ではなく、トニー・マルティンが恐れを知らぬダウンヒルを敢行したせいだ!逆にサガンは、ほんの一瞬分断にはまりかけたほど。もちろん下りが終わるとすぐに、キャノンデールが制御権を取り戻した。

そして、無カテゴリーの、「グラン・ヴァロン=大きな谷」という名の、上りがやってきた。ゴール前13.5km、トニー・ギャロパンが加速を切った。第9ステージ夕方に黄色いジャージに着替え、第10ステージ夜にいつものレトロな赤ジャージに着替えた26歳は、第11ステージで新たな企てに打って出た。

「計画的なアタックじゃなかったんだよ。だって今日はエスケープが最後まで行くと思っていたから!だから最終盤の地形図さえチェックしていなかった。でも、逃げはたったの3人で、キャノンデールが引き始めたから、監督に地形を確認に行った。しかも最終盤に向けて脚の調子がどんどん良くなって行ったから、『これは、なにかトライすべきだぞ』って思ったんだ」(ギャロパン、公式記者会見より)

昨夏のクラシカ・サンセバスティアンで、ラスト15kmを独走して勝利をさらい取った健脚ギャロパンを、絶対に逃してはならない――。慌てたサガンは、猛烈に追いかけた。マイケル・ロジャースとミカル・クヴィアトコウスキーも同伴し、3人はまんまとフランス人をつかまえた。……しかし、再びスルリと抜け出されてしまう。ゴール前2.8km、ギャロパンがもう一度勝負に出た。「今を逃したら、もう次はない」と、最後の賭けだった。

「誰もボクとスプリントを争いたくないはずなんだ。だからクヴィアトコウスキーもロジャースも、ボクと協力して追走する気なんてなかった。むしろ、ボクに対して、アタックを仕掛けてきた。ギャロパンを追いかけることだってできたさ。でも、そうしたら、今度はロジャースかクヴィアトコウスキーが仕掛けてきただろうね。全ての攻撃にボク1人で対応するなんて、不可能なんだ」(サガン、ミックスゾーンインタビューより)

サガンは追いかけてこなかったかもしれない。代わりにメイン集団全体が追いかけてきた。ジュニア時代のギャロパンは、クロノ・デ・ナシオン2連覇を果たした。U23時代には、フランス選手権タイムトライアルチャンピオンになった。第9ステージには、マイヨ・ジョーヌを手に入れるために、いわゆる長距離の「フランスチーム」タイムトライアルを成功させた。この日は初めてのツール区間勝利へ向かって、背後からの巨大なプレッシャーを感じながらの、短距離個人タイムトライアルだった。

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