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サイクル ロードレース コラム 2014年7月18日

ツール・ド・フランス2014 第12ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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短い晴れ間をプロトンは楽しめただろうか。休養日から夏らしいお天気に恵まれているツール一行だが、3日後の日曜日からは再び下り坂の予報。ちなみに翌日からは、大バトルが繰り広げられるであろう、アルプス山頂フィニッシュ2連戦が控えていて……。だから今日こそは、誰もが本物の「移動ステージ」を待ち望んでいた。

幸いにも、前日の「エスケープ向きステージ」を破壊したキャノンデールは、攻撃的戦術を引っ込めた。代わりにジャイアント・シマノが制御権を握った。スタートから10km地点でセバスティアン・ラングフェルド、グレゴリー・ラスト、サイモン・クラーク、ダヴィド・デラクルス、フロリアン・ヴァションが飛び出すと、すぐに背後で列車を作り上げた。

「今日は、たしかに昨日と同じように、アップダウンの多いステージだね。でも、距離が少し長いかわりに、実のところ起伏の難度は低い。ゆるやかなアップダウンだから、上れるスプリンターなら軽々と超えてくるだろうし、アタックも決まりにくい。中規模の集団スプリントになるはずだよ」(クリスティアン・ギベルトー、ジャイアント・シマノ監督、スタート地インタビューより)

(ピュアスプリンターのマルセル・キッテルではなく)ジョン・デゲンコルブを支える集団は、猛追モードのペーター・サガン親衛隊に比べて、極めて落ち着いたコントロールを行った。前を行く5人には最大5分近いタイム差を与え、その後は3分程度で淡々とタイム差を調整した。

ゴール前95kmだった。逃げ切りのわずかな可能性に賭けて、勇んでペダルを回す前方集団に、アクシデントが発生した。下り右カーブで、ダヴィド・デラクルスが右肩から地面に落下。すぐ前を走るラングフェルドも巻き込まれ、アスファルトに滑り落ちた。山岳ポイントを少しでも稼ぎたい……と願っていたというスペイン人は、鎖骨を骨折して即時リアイアを余儀なくされた。オランダチャンピオンはすぐに立ち上がり、どうにか先を続けた。

4人になったエスケープ集団の背後で、隊列を組んだのはなにもジャイアント集団だけではない。補給地点を過ぎて、少しずつ起伏が増して行く、そんな時だった。ジャイアントの白黒ジャージに混ざって、ユーロップカーの深緑ジャージがじわじわと前線へと上がり始めた。最終的には9人全員が一列に並び、オランダチームから主導権を奪い去った。

「今日の第一目標は、エスケープに乗ること。だけど、それが果たせなかったから、Bプランへと切り替えた。逃げ集団とのタイム差を縮めて、そして、終盤の起伏で動くこと。同時にブライアン・コカールをいいポジションにとどめ、集団フィニッシュに備えることだった」(アンディ・フリカンジェ、ユーロップカー監督、ゴール地インタビューより)

緑のジャージは勢い良く進んでいく。サンテティエンヌと言えば、フランス人にとって、いや、古くからのサッカーファンにとっては「レ・ヴェール=緑」の町だろう。国内リーグ優勝10回を誇るサッカークラブ、ASサンテティエンヌの愛称で、ジャージの色ももちろん緑。1976年にUEFAチャンピオンズカップの準優勝(現在のUEFAチャンピオンズリーグ)に輝いたことがあり、かのミシェル・プラティニが若き日に所属していたチームとしても名高い。そしてゴール地のファンたちが「アレ・レ・ヴェール!」の応援歌を口ずさみだしたころ、緑色の2人が飛び出した。ペーリ・ケムヌールとシリル・ゴチエだ!

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