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ゴール前60kmから上り始める1級パラキ峠へ向かって、新城幸也がメイン集団を牽引した。さらに全長14.1kmの山道に入ってからも、序盤10kmほどを、延々と集団先頭で上り続けた。アスタナのアシスト勢を、大勢背後に引き連れて。新城の刻む淡々としたリズムに、総合11位ミカル・クヴィアトコウスキーさえ苦しみ、一時はプロトンから脱落しかけたほどだ。
「それほど速いスピードで上ったわけじゃないんですよ。でもとにかく、ものすごく脚の調子が良かったんです。1年に1度あるかないか、ってくらい絶好調でした!」(新城幸也、ゴール後インタビューより)
一方でエスケープの9人は、パラキ峠で大きくばらけた。アタック合戦を制して、最後に抜け出したのはデマルキ。この2週間、起伏ステージでペーター・サガンに尽くし続けた忠実なるアシストは、この日は自らの栄光に向かって必死にペダルを回した。しかし所詮は叶わぬ望みだった。全長18.2kmの最終峠、超級シャンルッスに入ると、仕事を終えた新城幸也がメイン集団からゆっくりと離れ、直後に再びクヴィアトコウスキーが滑り落ち、ステージ序盤にアシストたちを働かせてきたロドリゲスも引き離され……。そしてゴール前13km、デマルキも静かに吸収された。先頭集団はすでに25人ほどに小さく絞り込まれていた。
その直後だ。総合2位につけるリッチー・ポートが、ずるずると後退して行った。レース医療班の報告によると、オーストラリア人は「消化不良(吐き気、嘔吐)」に苦しんでいたとのこと。「フルームの代替リーダー」の早すぎる失速に、集団内は色めきたった。そして、ここから、凄まじい加速合戦が、繰り広げられることになる。ゴール前12km、引き金を最初に引いたのは、ポートから1分24秒遅れの総合5位ティボー・ピノだった。
「レースを厳しくしてやろうと思ってね。他の選手たちも、それほどアシストを残していたわけじゃなった。だから、一発食らわしたら、どうなるのか、見てみたかったんだ。脚の調子も良かったし、だから試してみることにした」(ピノ、ゴール後TVインタビューより)
すぐさまメイン集団は大まかに3つに分断することになる。1)総合19位からの上昇を願うレオポルド・ケーニッヒと、純粋にステージ優勝にかけるラファル・マイカ、つまり総合表彰台争いに関係のない2人が先頭へと抜け出した。2)単独で仕掛けたローレンス・テンダムに、ピノと、さらにポートから24秒遅れ総合3位アレハンドロ・バルベルデが合流し、そこにマイヨ・ジョーヌも居座った。3)後方は後方で、やはり熾烈なアタックと分裂、再集合を繰りかえした。特に「暫定」表彰台へと向けて新人賞ジャージ姿のロメン・バルデが幾たびとなく特攻をかけ、2012年大会の新人賞ティージェイ・ヴァンガーデレンも負けじと前へ突っ込んだ。
ここからニーバリが、2段階の攻撃に打って出る。1)ゴール前6.8kmのアタックでピノとバルベルデを振り払い、2)ゴール前2.6kmのアタックでケーニッヒとマイカを置き去りにした。「コントロール」とか、「ステージ優勝を譲る」とか、そんな悠長な行為なんか取っていられなかった。もちろん、プリトから山岳ジャージを奪い取ろう、なんていう意思もなかったそうだ。結果的には、黄色だけでなく赤玉も所有することになったけれど。
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