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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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新城に代わって集団を引っ張ったのは、マイカの援護役としてついてきたニコラス・ロッシュ。34km独走したキリエンカは山頂間際で飲み込んだ。肝心の山岳賞に関しては、マイカはまたしても先頭を取り損ねた。そもそも、ここまでの3峠、すべてロドリゲスに先行を許してしまった。
「今朝のミーティングで、監督のリースから言われていたんだ。『序盤の山岳ポイントは無理に争いに行く必要はない』『待て、待て、待て』『区間を勝てば、自動的にジャージは手に入るから』って」(マイカ、公式記者会見より)
いつしか14人に絞り込まれた先頭集団は、超級プラ・ダデへ入る直前さらに小さくなった。10.2kmの最終峠には、ローラン、ロッシュ、アマエル・モワナール、ジョヴァンニ・ヴィスコンティが先頭で乗り込んだ。ほんのすぐ背後では、マイカとプリトの壮絶な赤玉の戦いが繰り広げられていた。
「前を追わずに、ボクはロドリゲスだけをひたすらマークした。山岳ジャージを手に入れるためだ。彼を振り落とそうと試みた。2回、3回、と加速した。とうとう、ロドリゲスを突き落とした。それから前の4人を追いかけたんだ」(マイカ、公式記者会見より)
ゴール前7.5kmでロドリゲスに別れを告げると、ロッシュ/ローラン/モワナールにすぐに合流を果たした。5.8kmでトリオを振り切ると、すでに独走中のヴィスコンティを追いかけはじめた。2013年ジロ・デ・イタリアで「雪の」ガリヴィエを制したイタリア人を捕らえても、「暑い方がボクは好き」というポーランド人は決して手を緩めなかった。ラスト2.5km、山頂へとひとりで旅立った。
「第10ステージでチームは不運に見舞われた。休養日にリースがみんなに言ったんだ。『いいか、みんな、戦い続けなければならない。1ステージ勝たなきゃならない』って。でも1ステージの代わりに、ボクらは3ステージも勝っちゃった。みんな喜んでいるよ。あとは、ボクが、山岳ジャージをパリまで持ち帰れるといいんだけど」(マイカ、公式記者会見より)
しかも3勝のうち、マイカが2つを手に入れたのだ。アルプスの山頂フィニッシュでひとつ、ピレネーの山頂フィニッシュでひとつ。「ツールが大好き」になったのも当然だ。そしてリース監督の予言したとおり「山頂フィニッシュポイント2倍ルール」で50ptを一気に獲得し、総計149ptで逆転首位を成功させた。2位ヴィンチェンツォ・ニーバリとは31pt差、3位ロドリゲスとは37pt差。残る山岳ポイントは第18ステージ79pt、第19区間1pt、第21区間1ptだから……。ピレネー最終日の山の上で、おそらく最終的な赤玉ジャージの行方が決する。
ヴィスコンティとマイカのアタックには付いていけなかったけれど、ローランは自分のペースで山頂まで走り続けた。後方から猛スピードで駆け上がってきたマイヨ・ジョーヌとジャンクリストフ・ペローに、ゴール間際で抜き去られたものの、区間6位で短く濃密な午後を終えた。総合も12位から10位へと再び上昇した。
「勝利には結び付けられなかったけれど、チームメートにはすごく感謝してる。きっとジロを最後まで戦ったことが影響しているんだと思う。終盤はもう追う脚がなかった。明日も難しい日になるだろうね。でも、ボクらチームは、再びトライしていく。たとえボロボロになっても、トップ集団にくらいついて、パリでの総合トップ10入りを確保したい」」(ローラン、ゴール後インタビューより)
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