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サイクル ロードレース コラム 2014年7月25日

ツール・ド・フランス2014 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「なんとか区間3位に入れたんだから、悪くないよね。満足さ。この山岳ジャージをパリに持ち帰ることが出来るなんて、ボクにとっても、チームにとっても、とても素晴らしい成績だよ。来年はもっといい年になる。だってアルベルト・コンタドールと共に、再びツール総合優勝にトライするんだから」(マイカ、ミックスゾーンインタビュー)

マイカと合流したトリオメンバーとは、総合3位ピノ、4位ジャンクリストフ・ペロー、そして6位ティージェイ・ヴァンガーデレン。特にピノとペローのフランス人2人は、「打倒バルベルデ」を明言していた。……バルベルデが憎いわけでも、フランス人同士が結託しているわけでもない。圧倒的なニーバリの強さの前に、1985年以来のフランス人ツール総合優勝は夢見ることさえできなかったけれど、ならば「ニーバリ以外では1位」に値する総合2位の座が、どうしても欲しかった。そしてラスト5.5km地点。ピノが加速し、ヴァンガーデレンがカウンターを仕掛け、ペローが2人の後輪にピタリとつけると、ついにバルベルデを振り切った。

下り単独アタックのせいで、タンクの中にそれほどエネルギーは残っていなかった。しかし、気力は失ってはいなかった。一旦離されたあと、バルベルデは自分のリズムでゆっくりと差を詰めていった。少し前を行く5人集団と合流しても、誰も追走に手を貸してはくれなかったけれど、被害を最小限に食い留めようと懸命に走り続けた。ニーバリがフィニッシュラインを越えてから、1分10秒後にピノが山頂にたどり着いた。1分15秒後にペローが、そして1分59秒後にバルベルデが入った。

「我慢して、しがみ付いて、苦しんで。すごく疲れていた。ボクはずっと1人で走って、それでも、たいして離されはしなかった。悲劇なんかじゃないさ。たしかに、ヘトヘトだけど、ほかのみんなも同じだと思う。残りの力をかき集めて、戦うしかないんだよね」(バルベルデ、ゴール後TVインタビュー)

ブエルタでは総合優勝1回・2位2回・3位2回と計5回も表彰台に輝いてきたグランツールライダーは、6度のツール参加で、いまだに1度も総合表彰台に上ったことがない。そして大会閉幕まであと4日のこの日、またしても表彰台から転がり落ちた。そう、ピノに総合2位の座を横取りされ、3位の座さえもペローに引き渡した!ただしバルベルデも含む三者は――表彰台の残り2席を争う3人は――、わずか15秒の間にひしめいている。

「55kmのタイムトライアル前に15秒。ないも同然のタイム差だね。表彰台から追い落とされたくははないけれど、難しいだろう」(ピノ、ミックスゾーンインタビュー)

「バルベルデからはタイムが奪えるだろうし、ティボーよりもボクのほうがTTは得意のはず。表彰台に上れると信じてる。総合2位だ」(ペロー、ゴール後インタビュー)

「もしも、本来の脚を取り戻せたら、タイムトライアルで、総合2位の座を奪い返せるはずだ」(バルベルデ、ゴール後TVインタビュー)

2014年、スペイン人による区間優勝はいまだなく、スペイン人の表彰台乗りも危うくなってきた。またスペイン人のホセホアキン・ロハスが、トゥルマレからの下りで長時間インレースカーを風除けに利用したとして、審判団からレース除外処分を食らっている。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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