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サイクル ロードレース コラム 2014年7月25日

ツール・ド・フランス2014 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ピレネー難関山岳3日目。総合争いを繰り広げてきた選手にとっては、これが正真正銘、3週間で最後の「直接対決」のチャンスだった。超級オタカム峠の13.6kmの山道で、もはや思い残すことなどなにもないくらいに、強豪たちは死力を尽くして戦った。そんな彼らに残された唯一の機会は、2日後の、全長54kmの、ストップウォッチ相手の孤独な戦いとなる。

気温は少し下ったものの、嫌な蒸し暑さがツール一行を包み込んだ。疲れた体に鞭打って、勇敢な者たちはスタート直後からアタックを繰り出した。20選手が抜け出した。山岳ステージのエスケープ常連(アレッサンドロ・デマルキやビエル・カドリ)に、いつも通りに複数を送り込んだチームユーロップカー(トマ・ヴォクレール、ブライアン・コカール、ケヴィン・レザ)。もしもの場合に備えて、ヘスス・エラダ&ヨン・ヨン・イサギーレインサウスティも2日連続で飛び出した。

去年までとは違うジャージカラーで、ピレネーの山を走る選手もいた。スカイ所属の、スペイン人、ミケル・ニエベ。つまり元エウスカルテル・エウスカディ所属の、バスク人だ。オレンジ色のチームは昨季限りで消滅し、沿道で見かけるオレンジ色の割合も、残念ながらすっかり少なくなってしまったけれど……。国境の反対側の、コースからほんの150kmほどしか離れていない町で生まれ育ったニエベは、黒チームのために区間1勝を探しにいった。

「何かを試そうと思ったら、今日が最後のチャンスだった。ボクはヒルクライマーで、最後の山岳ステージだったからね。脚の調子はよかった。数日前に体調を崩さなければ、もっといいツールになったかもしれないのに。でも、トライしたし、全力を尽くした」(ニエベ、チーム公式HPより)

メイン集団に3分50秒差をつけて、20人は超級トゥルマレ峠へと上り始めた。ここでニエベは抜け出すと、ただカドリと共に先を急いだ。伝説峠の山頂にかけられた「ジャック・ゴデ賞」(先頭通過者は賞金5000ユーロ)には興味がなかったから、特に争わずに、フランス人に譲った。最終峠の入り口まで、とにかく協力体制を崩さず走り続けた。そして再び道が上り始めると、すかさず、単独走行を始めた。しかし超級オタカムの入り口で、背後のメインプロトンは、すでに約1分後に迫っていた。

後方でも、スペイン人が大胆に試みた。トゥルマレ山頂からの下りで、アレハンドロ・バルベルデが、突如としてスピードアップ。約20kmもの長い下り坂を利用して、ダウンヒルアタックに打って出た!アレクサンドル・クリストフの急襲ダウンヒルに屈し、2006年ブエルタ・ア・エスパーニュを落としたあのバルベルデが……、2014年ツールでは総合2位の座を死守するために谷間へと飛び込んでいった。前方ではエラダ&イサギーレインサウスティが待っていた!

「バルベルデが下りアタックに打って出た瞬間、彼の調子が良くないことを悟った。あれはまさに、自分の弱点を、さらけ出すようなものだった」(ティボー・ピノ、ミックスゾーンインタビュー)

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