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400mの最終ストレートには、ジャイアント・シマノの発射台が勢いよく突っ込んだ。ところが肝心のキッテルがほんの少し脱線している隙に……、アレクサンドル・クリストフに真っ先にスプリントを切られてしまう。第12・15ステージ優勝で自信を身にまとうノルウェー人にとっては、しかし、所詮シャンゼリゼは平坦すぎた。キッテルが態勢を建て直し、スピードアップすると、見事に2年連続2度目のシャンゼリゼ勝利をさらい取った!
ちなみに2年連続で区間4勝+初日マイヨ・ジョーヌという成績で、初日&最終日ステージ勝利もまた2年連続の快挙である。
「最高に誇らしいし、すごく嬉しい。チームに大いなる感謝を伝えたい。彼らは今日もまた、驚異的だった。そして、またここで勝てたなんて、本当にとんでもなくすごい経験だよ。チームとしては去年よりも良くなっていると思う。いずれも区間4勝とマイヨ・ジョーヌを取ったけれど、今年は2位にも3度入ってる。チーム全体で、真に素晴らしいパフォーマンスを繰り出せたと思ってる」(キッテル、チームプレスリリースより)
ところで、シャンゼリゼゴールにありがちなのは、選手たちのゴールタイムが細分化すること。ラスト3kmに入ると、途端と、余韻を噛みしめながら流す選手が増えてくる。そのため、プロトンに小さな亀裂が入りやすい。今年も区間勝者と同タイムが記録されたのは、たったの17選手のみ。総合2位ペローは9秒遅れで、ニーバリは24秒遅れの集団で悠々と帰ってきた。一方で「2秒差」で総合トップ5入りを逃したロメン・バルデは、スプリンター集団にくっついていって、このミニ分断を利用してやろうと試みたようだ。しかしながら、この若きフレンチを総合5位の座から蹴り降ろしたティージェイ・ヴァンガーデレンが、隙間さえ作らぬようしっかりとライバルの背中に張り付いて……2人共々キッテルから4秒遅れでフィニッシュしている。
89時間59分06秒の間、サドルの上で戦ってきたニーバリが、第101回ツール・ド・フランスの正式な総合覇者となった。区間4勝(うち3つが山頂フィニッシュ)、マイヨ・ジョーヌ19日間。これにて2010年ブエルタ、2013年ジロ、2014年ツールと、3大ツール全制覇を完成させた。現役ではアルベルト・コンタドールと並ぶ2人目の大快挙である。そして16年ぶりに、イタリア国歌が、パリの空に流れた。
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