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ヨーロッパの大部分が記録的な寒さに襲われているというのに、イベリア半島南端の、アンダルシアは、この日も気温40度近くまで上昇した。暑さに負けず1日中せっせと働き続けたオリカ・グリーンエッジが、坂の上で、見事に2つの目標を達成した。マイケル・マシューズが区間勝利を手に入れ、ボーナスタイム10秒と共に、真紅のリーダージャージを身にまとった。
ほんの2ヶ月前に退位したばかりの元スペイン国王、フアン・カルロス1世の名を冠した航空母艦から、3日目の戦いは走り出した。エスケープ集団はすぐに出来上がった。2日連続で飛び出したジャック・イョンスファンレンスブルクに、ジョナタン・フュモー、ジェローム・クザン、ダニーロ・ウィス、リュイス・マスの5人組。最大8分のタイム差を許された。
行く手には4つの3級峠が待ち構えていた。前日に山岳ジャージを手にしたネイサン・ハースは、宣言通り、この日はポイント収集には向かわなかった。また先頭集団の5人全員が、青玉ジャージに興味を示したわけではなかった。各峠でポイント収集合戦を繰り広げたのは、クザンとマス、そしてウィスの3人。最初の2峠は、クザンが先頭通過で3ポイント×2=6ptを手に入れた。マスとウィスは、それぞれ3ptずつで並んだ。
ゴールまで70km地点、第1中間ポイントを利用してマスが独走を始めた。合計ポイントも9ptへと伸ばした。一方でクザン、ウィス、イョンスファンレンスブルクの追走3人組からは、3番目の峠で、ユーロップカーのフランス人が2位通過を成功させた。フランス語圏スイス人ウィスが、今ステージ終了後に山岳賞首位に立つ可能性は、ほぼ完全に断たれた。クザンは最終峠を2位で終えさえすれば、白地に青丸のジャージが手に入るはずだった。
ところが、4つ目の山頂で、ウィスは仕掛けてきた!……どうやら交渉決裂スプリントだったようなのだけれど(吸収後にプロトン内で笑いながらいきさつを話すクザンの姿が、世界中に放映された)、結果クザンは3位に沈んだ。ポイントは9ptで、マスと同点首位タイ。山岳賞選定のルール「各カテゴリーの山頂の1位通過の数」でも、2人とも「3級2回」で並んだ。こうして「それでも決まらない場合は、総合がより上位の選手を該当者とする」という最終ルールが発動された。総合172位のクザンではなく、総合97位のマスに山岳ジャージが与えられた。
前方の5人が熱い戦いを繰り広げていた背後では、オリカ・グリーンエッジが、黙々と集団コントロールを続けていた。スタート前にはマイケル・マシューズが、宣言していた。僕にとってはパーフェクトなフィニッシュだから、チームみんなで勝ちにいく、と。
オーストラリアチームは、2014年ジロで、マシューズと共に栄光の第1週目を味わっている。初日チームタイムトライアルを制すと、2日目からさっそくマシューズがマリア・ローザを身にまとった。第6ステージでは区間勝利も手に入れた。だから、このブエルタへは、栄光の再現するために乗り込んできた。初日チームタイムトライアルは首位から6秒差で終えた。マイヨ・ロホは射程圏内に捕らえた。第2ステージは完全なる平坦ステージだったから、「来るべきステージに向けた実践テストかトライアルランのつもり」(ニール・ステフェンス監督、チーム公式HPより)で取り組んだ。そして、この第3ステージこそが、その「来るべきステージ」だった。フィニッシュまで25kmを残して、邪魔者は全て吸収し尽くした。
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