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「ベンナはまさに生命保険だよ。常に僕を好位置へと導いてくれた。ただただ感謝の気持ちしかないよ。彼は貴重な『馬車馬』さ。いつだって僕を、自分のポケットに入れて、連れて行ってくれるんだ」(コンタドール、個人公式リリースより)
ちなみに、第5ステージでティンコフ・サクソが試みた分断は骨折り損に終わったわけだが、この日の分断も、最終的には総合争いにまるで影響はなかった。キンタナの属する第2集団は、残り5kmで無事に先頭集団へと追いついた。総合順位も、総合タイムも、総合14位までは変動がなかった。むしろマーティンは、17位→15位へと小さくジャンプアップしたほどだ。
実は、キンタナにとって幸いだったのは、バルギルとデゲンコルブが同じ集団にいたこと。つまりジャイアント・シマノにとっては、総合リーダーとスプリントリーダー、2人が一挙に分断にはまるという一大事だった。第2集団にいたチームメートだけでなく、第1集団からわざわざ2人が下りてきて、必死の引き上げ作業を行った。「ジャイアントが助けてくれた。僕らは共通の利益があったからね」とキンタナは感謝するが、「チームメートは自分自身を犠牲にして僕を前方に戻してくれた。でも、スプリントが始まる前に、ボク自身も限界に達してしまった」(いずれも大会公式リリースより)と、肝心のデゲンコルブはいっぱいいっぱいだった。区間4位で、ハードな1日を終えることになった。
区間トップ3に入ったのは、1度も分断にはまらなかったナセル・ブアニ、マイケル・マシューズ、ペーター・サガンだった。中でもピュアスプリンター度の最も高いブアニが、ラスト300mを独走し、フィニッシュラインを真っ先に駆け抜けた。……ただし、ゴール前40mからマシューズが急激に追い上げてきたため、ブアニは左側にほんの少しだけ体を寄せた。当然、オリカ・グリーンエッジは、すぐに審判団にビデオの見直しを要求した。ブアニの斜行による進路妨害ではないのか、と。
「私が申し立てに行ったとき、すでに開催委員会が審判団に見直しを要求していた。私も一緒に映像を見直した。そこで疑いは、確信に変わった。審判団の意見は2対2に割れたんだ。そして、最後に、告げられた。『難しい判定だったが、ブアニにステージ優勝を与える』と。これがレースさ。我々は審判団の決定を尊重する。また別の日に、ステージ優勝を狙っていくよ」(ニール・ステフェンス、チーム公式HPより)
第5ステージには「デゲンコルブに邪魔された」との申し出を取り下げられ、2位に泣いたブアニが、この日は自らに降りかかってきた異議申し立てを跳ね除けて、大会2勝目を手に入れた。
「長いスプリントだった。それにフィニッシュ前は強い向かい風が吹いていたからね。でも、ほんの小さな突破口を見つけたら、我慢できずに飛び出してしまったんだ。あと100m待っているべきだったかもしれないね。でも、前回のスプリントを2位で終えて、ひどくがっかりしたんだ。だって勝てる脚があったんだから。だから今日は絶対に勝ちたかった」(ブアニ、ゴール後インタビューより)
スプリンターたちの体を張ったどつきあいは、第12ステージまで一旦お預け。ここからの3ステージは、ますます熾烈な総合争いが繰り広げられることになる。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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