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サイクル ロードレース コラム 2014年9月1日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第9ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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少々残念だったのは、戦いが全て終わった時、アナコナのタイムは総合首位からわずか9秒足りなかったこと。それでも、2分50秒遅れの総合21位から、総合4位へと一気に順位を上げた。プロ初年度のブエルタでは、初めてのグランツールで総合19位に食い込む奮闘を見せた。その12月、トレーニング中に大落車し、踝を骨折。2013年8月までレースから遠ざかっていたが……。今年はツアー・オブ・ユタで、リーダーのホーナーに次ぐ総合3位に食い込む大躍進。当然ブエルタにも、野心を抱いて乗り込んできた。

「ホーナーの不在が、今日の僕には有利に働いた。おかげで自分の戦いができたんだから」「開幕時から、総合10位以内を狙っていた。でも第3ステージに、ちょっとしたミスで30秒失った。でも、今日、この遅れを取り戻せた。再び目標も追い求めることができる。今後はこの目標達成に向けて全力を尽くしたい」(アナコナ、大会公式リリースより)

はるか後方で抑え気味に走っていたメインプロトンの、速度を一気に引き上げたのはスカイだった。ゴール前25km、突如として、6人がメイン集団前方で隊列を組み上げた。

フルームを守るスカイボーイズは、ハイペースで山を上り続けた。たとえば今ジロ2位リゴベルト・ウランがトニー・マルティンを使ってアタックを仕掛け、前方集団から落ちてきたボーネンと加速を繰り返すと、アシストがすぐに穴を埋めた。たとえばティンコフ・サクソのアシスト勢を、コンタドールから引き剥がし、後方へと突き落とした。しかも、エスケープに乗っていたカタルドが、最終峠の入り口で待っていた。山岳巧者が加わったことによって、メイン集団に、よりいっそう厳しいテンポを強いた。

ただし、黒い山岳戦車は、フルームを発射するために走っていたわけではなかったようだ。リーダー本人に言わせると「タイムトライアルを控えて、現在位置をキープするため」(大会公式リリース)だった。本当のところは、高速で走ることによって、他選手にアタックの余地を与えないためだったのかもしれない。もしかしたら、前日落車したフルームが、絶好調ではないのかも……。

誰もが心の奥底に抱いていたこんな疑念が、確信に変わる時がやってきた。ダニエル・マーティンが軽く飛び出しを仕掛け、続いてカチューシャ3人組がスピードアップを試みる。するとフルームは後方に流され、集団のしっぽに必死にしがみついているではないか。だから、ゴールまで2kmを示すアーチの手前で、コンタドールは飛び出した!

「フルームが少し後方にいるのに気が付いた。だから、突き放せるかどうかトライしてみるべきだ、って思ったのさ」(コンタドール、大会公式リリースより)

グランツール5勝のチャンピオンのアタックに、誰もすぐには反応できなかった。しかし、キンタナが動き、ロドリゲスも後を追った。プリトにとって幸いだったのは、逃げ集団のヴォルガノフが、いまだ前に残っていたこと。最後の力を振り絞って、リーダーを引っ張り上げてくれたこと。おかげでフィニッシュラインぎりぎりで、ロドリゲスとキンタナはコンタドールに追いついた。3人仲良く、フルームから23秒を奪い取った。正確に言えば、キンタナとコンタドールは、フルームをさらに23秒突き放した。一方で前夜までフルームより25秒遅れだったロドリゲスは、つまり、2秒差に迫ることに成功したというわけ。

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