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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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総合順位表に小さな書き換えが行われた。逃げ切り優勝を決めたウィナー・アナコナが総合4位にジャンプアップし、ついにアタックに転じたアルベルト・コンタドールが、宿敵クリス・フルームから23秒を奪い取った。風の平坦路では上手く立ち回れなかったナイロ・キンタナも、雨の山岳で本領発揮し、マイヨ・ロホへと上り詰めた。
「最初から、総合タイムを縮める目的で、飛び出したんだ」(アナコナ、ゴール後インタビューより)
前回覇者クリス・ホーナーの山岳アシストとして、アナコナはブエルタに乗り込んだ。ところが、開幕前夜に、守るべき人がいなくなってしまって……。自由に動ける権利が、思いがけず手に入った。第4ステージでは、終盤でアタックを仕掛けた。この日は総合2分50秒遅れを取り戻すために、朝からエスケープに乗るつもりだった。
逃げたい選手は、ほかにも大量にいた。スタート直後から10人単位でアタックが相次いだ。高速な飛び出し合戦は30kmほど続き、ようやく、大きな塊がプロトンから切り離された。
大量31人の大型エスケープには、全22チーム中19チームが選手を送り込んだ。第3ステージ終了時から山岳ジャージを守り続けるリュイス・マスや、第7ステージに落車で逃げ切り勝利を逃したライダー・ヘシェダルの姿もあった。なにより総合リーダーを擁するモヴィスターからはハビエル・モレーノが滑り込んでいたし、スカイはダリオ・カタルドを、カチューシャはエドゥアルト・ヴォルガノフを、それぞれ前方に有していた。一方で乗り遅れたのはキャノンデール、エフデジ ポワン エフエール、そしてティンコフ・サクソ。コンタドールには、つまり、前方にアシストは1人もいなかった。
今大会初めての雨の中を、巨大な先頭集団は突き進んでいく。後方ではモヴィスターが、控えめにリズムを刻んでいた。最大10分ものリードを許され、アナコナは長らく「暫定マイヨ・ロホ」の座を守り続けた。ゴール前25kmでも、いまだタイム差は6分以上。ここからコロンビア産のヒルクライマーが、違いを見せた。2級峠への上り坂を利用して、まずは1度目の加速を仕掛けた。じりじりとライバルたちに回収されると、再度アタックを試みた。初のグランツールを戦うボブ・ユンゲルスと、モヴィスターの偵察役モレーノだけが付いてきた。さらに最終1級峠の登坂口に入ると、邪魔な2人もあっさりと追い払った。フィニッシュラインまで6km、アナコナは単独先頭に立った。
「Winner=ウィナー」という名前にちなんで、右腕に「勝者」というタトゥーを入れている26歳は、雨の山頂で本物の勝者となった。勾配の厳しい山道でもリズムを落とすことなく、2012年に始めたプロ人生で、初めての勝利を手に入れた。
「名前についてはよく聞かれる。父親は警察官で、ついでに自転車レースの熱狂的なファンなんだ。80年代の父のアイドルはペーター・ウィネン(Peter Winnen)とアンドルー・ハンプステン(Andrew Hampsten)。だから、僕の出生届を出す時に、この2つを合わせた名前をつけようと思ったんだね。でも綴りを間違えちゃった。そういうわけで僕の名はWinner Andrewになった。父親は英語を一言も話せないから、だから、僕に『勝者』と名付けたことさえ知らなかったんだよ」(アナコナ、大会公式リリースより)
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