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サイクル ロードレース コラム 2014年9月5日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第12ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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難を逃れられたのは、先頭から約15人だけ。緑ジャージ姿のデゲンコルブは、アシストのラモン・シンケルダムに引かれて、立ち止まることなくフィニッシュラインまで突進した。最大のライバルと目されていたナセル・ブアニは、発射台ジョフレ・スープと共に地面に転がり落ちた。

「落車は見なかった。僕の背後で起こったことだから。何が起こったのかはわからないし、後ろを振り返る暇もなかった。振り返っていたら、それこそ転んでいたかもしれないからね。僕はひたすら、チームメートの動きだけに集中し続けた。他の選手には目をくれず、自分のスプリントだけに集中した」(デゲンコルブ、大会公式リリースより)

スプリントに絡めなかったブアニの代わりに、2007年ツールマイヨ・ヴェールのトム・ボーネンと、現在3年連続マイヨ・ヴェール獲得中のペーター・サガンがデゲンコルブに襲い掛かった。しかし、ドイツ人に抵抗することは、まるで不可能だった。デゲンコルブは今大会3勝目をほぼさらりと奪い取った。2012年第5ステージと同じ周回コースで、2年前同様に両手を天に突き上げて!ちなみに、2014年サッカーワールドカップを圧勝したドイツは(前夜は親善試合でアルゼンチンに負けてしまったけれど)、2014年グランツール区間13勝目を計上した。これはイタリアと並ぶ首位タイの記録である(ドイツはジロ2勝・ツール7勝・ブエルタ4勝、イタリアはジロ6勝・ツール5勝、ブエルタ2勝)。

「次のスプリント機会である水曜日までに、脚の調子がさらに良くなっているよう願うよ。僕はこの大会で、どうしても勝ちたいん。だってブエルタは大きなレースだし、世界選手権に向けて最適な準備となる。世界選手権でなにかとてつもないことを成し遂げたいなら、脚の調子をもっと上げていかなきゃならない」(デゲンコルブ、大会公式リリースより)

……ちなみに、2011年ブエルタ以来、実に3年ぶりにグランツールを戦っているトム・ボーネンは、2009年ブエルタ第5ステージ以来となる区間2位に食い込んだ!!石畳クラシックに集中するために、そもそも集団スプリント自体を敬遠している33歳だが、脚は好調の様子。2005年にスペイン・マドリードで世界チャンピオンに上り詰め、この先のスペイン・ポンフェラーダでの虹色争奪戦に向けて、いまだにスプリント力が衰えていないことを証明してみせた。

「今大会、初めてスプリントしてみたよ。またこうして、スプリントに混ざってみるというのは、良いもんだね。でも、正直に言えば、ハッピーではないね。だって、勝ちたかったから」(ボーネン、チーム公式リリースより)

ブアニは全190人中182位でゴール。ポイントは再び、首位デゲンコルブから34ポイント差に引き離された。ピュアスプリンターが狙えるステージは、残すは1回のみ。逆転緑ジャージへの道は、少々厳しくなってきた。

総合争いの選手たちは、みな落車による分断にははまったものの、何ひとつ失わずに1日を終えた。つまり、どこも体を痛めることもなかったし、タイムも落とすことはなかった(ゴール前3km以内で落車やメカトラブルなどのアクシデントが発生した場合、アクシデント時に所属していたグループと同じゴールタイムが与えられる)。アルベルト・コンタドールがマイヨ・ロホを静かに守り、それを20秒差でアレハンドロ・バルベルデ、1分08秒差でリゴベルト・ウラン、1分20秒差でクリス・フルーム、1分35秒差でホアキン・ロドリゲスが追いかける。

「この先の4日間は、ひどくハードで、とても重要なステージが待ち受けている。明日も鍵となるステージが待っている。集中して、警戒して、臨まなければならない。最終盤は特に。明日は忙しい1日になると思うよ。最後まで、用心深く走らなければならないだろうね」(コンタドール、チーム公式リリースより)

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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