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一方で、麓で完全に脱落したかに思われていた総合4位クリス・フルームは……、実は、じわじわと前方に舞い戻ってきた!淡々と一定ペースで上ってきた2013年ツール覇者は、すでに2km近くも加速と牽制を繰り返してきたコンタドールとロドリゲス、アルを、ラスト800mで捕らえた。しかも、追いついただけでなく、3人組の前にするりと入りこんだ。速いリズムでくるくるとペダルを回し、いつものように下を向きながら、ひたすらに前進をつづけた。
「ただ自分の走りだけに専念した。他の選手の動きには、目を向けないようにした。それに、激坂の麓でいきなりアタックをかけるなんて、絶対に息切れしちゃうと分かっていたからね。そんな事態は絶対に避けたかった。結果は僕に微笑んだ」(フルーム、ゴール後インタビューより)
そして、ヘシェダルとまさしく同じように、勾配がわずかに下がるラスト200mで一気に畳み掛けた。ほんのわずかではあるけれど、ロドリゲスを1秒、コンタドールを7秒、アルを9秒突き放した。またバルベルデからは29秒、ウランからは1分06秒を奪い去った。
「フルームがアララール(第11ステージ)で苦しんだのは、単にタイムトライアルの翌日だったからだと分かっていたんだ」(コンタドール、大会公式記者会見より)
「クリス・フルームはツール・ド・フランス総合覇者であり、世界屈指の名選手。彼を決して侮ってはならないのさ」(ロドリゲス、大会公式リリースより)
「フルームは今日、みんなに思い出させたんだ。この先の数ステージの総合争いで、彼が危険な男になるだろうことを」(バルベルデ、大会公式リリースより)
一瞬びっくりさせられつつも、よくよく考えれば予想通りだった好パフォーマンスで、フルームは1分13秒差の総合3位に浮上した。バルベルデは総合2位の座を守ったが、20秒までせっかく縮めたタイム差を、再び42秒にまで落とした。ロドリゲスとアルも1つずつ順位を上げて、それぞれ1分29秒差の総合4位、2分15秒差の6位につける。代わりにウランが5位・2分07秒差に、サムエル・サンチェスが7位・3分26秒差に後退した。
もちろん、アルベルト・コンタドールは、驚くような激坂をよじ登った果てに改めてマイヨ・ロホに袖を通した。
「結果には満足している。たしかに一部の選手からはタイムを奪われたけれど、ほんの数秒でしかない。それ以外のライバルからはタイムを稼いだ。特にバルベルデからね。明日は、僕の好きなステージだ。どうなるか様子を見ていく必要があるよ。でも、間違いなく、あらゆる峠でアタックが起こるだろう」(コンタドール、大会公式記者会見より)
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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