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サイクル ロードレース コラム 2014年9月7日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第14ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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ゴール前3kmから、突如として、とんでもない山道が始まった。辺りにはクラッチの焼ける匂いが漂い、大量の関係車両が脚止めを食らった。最大勾配19%超の激坂を、招待客やジャーナリスト、フォトグラファー、さらにはポディウムガールさえ歩いて上った!少々お疲れ気味の美女たちから、ライダー・ヘシェダルが祝福のキスを勝ち取った。最難関ゾーンで勃発した総合バトルでは、5選手がしのぎを削り、アルベルト・コンタドールが虎の子の赤ジャージをしっかりと守った。

短い急勾配へと向かって、200km超の、長く壮大な駆け引きが繰り広げられた。スタートから全速力だった。巻き起こるアタック合戦は、ジャイアント・シマノの隊列にことごとく潰された。結局は35.7km地点の第1中間ポイントまで、緑ジャージを守りたいジョン・デゲンコルブは、誰1人として先へ行かせなかった。

なにしろ、今ステージを含めて、難関山頂フィニッシュはあと5回も残っている。そして区間勝者には25ポイントが与えられるから……、ヒルクライマーに最終的なポイント賞をさらい取られる危険性は大きい。デゲンコルブがジャージを死守するためには、つまり、中間ポイントを貪欲に取りに行くしかない。こうして、ドイツ人スプリンターは望み通りに1位通過を果たし、貴重な4ポイントを積み重ねた。

ちなみに、ポイント賞2位のナセル・ブアニは、今ステージ半ばで戦いを去った。43pt差でマイケル・マシューズも追いかけるが(しかも中間ポイントで2位に食い込んだが)、事実上、デゲンコルブの賞ライバルはもはやヒルクライマーだけである。

ジャイアントの作業が成功に終わると、ようやく逃げが許された。大量23人が逃避行の切符を手に入れた。

大きなエスケープ集団を見送ると、すぐにティンコフ・サクソが集団制御に動いた。プロトンの前方で隊列を組んで、それほど早過ぎないスピードで前進を続けた。全ては、逃げ切りを許すためであり、総合ライバルたちに、ボーナスタイム収集のチャンスを与えないためだった。タイム差も8分近く与えた。……というのも、アルベルト・コンタドールは、前夜、ボーナスタイム収集が苦手だと告白している。また、現時点では区間勝利よりも、まずはマイヨ・ロホを守ることに全力をそそぎたい、とも。オリバー・ザウグとセルジオ・パウリーニョという強脚アシストを前方に送り込んだのも、やはり、そのためだった。

いつまでたってもタイム差が縮まらないことに、オメガファルマ・クイックステップは業を煮やした。総合3位リゴベルト・ウランのために、突如として、メイン集団を牽引し始めた。ゴール前75kmで7分15秒あった遅れは、ゴール前55kmで4分にまで縮まった。しかし、引いても引いても、これ以上差が縮まらないどころか、再び距離は開いていくばかり。ベルギーチームはゴール前35kmまで粘ったが、そこで追走を中断した。タイム差は改めて6分50秒まで広がった。

前方では、カハルラルのルイスレオン・サンチェスとダビ・アローヨが、2人で飛び出したこともあった。黄色いティンコフジャージの2人は、周りの選手と上手く協調関係をとりながら、ひたすらエスケープ集団の保持に励んだ。それからパウリーニョは2つ目の峠の下りで、自ら後方へと脱落すると、コンタドールの援護にまわった。ザウグは前に残った。積極的にリレー交代も手伝った。そして、最終的に12人に絞り込まれた集団内で、4分20秒のリードを手に、ラスト3kmの激坂へと飛び込んだ。

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