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激しい通り雨が去ると、選手たちよりも一足早く、谷間から霧が駆け上がってきた。戦いの熱気が山頂を満たす頃には、雲は風に飛ばされ、陽の光さえ差し込んできた。ブエルタ屈指の伝統峠コバドンガで、ポーランド人プリジミスラウ・ニエミエツが、見事な逃げ切り勝利を決めた。後方メイン集団では、全長12.2kmの山道で、1ダース以上のアタックが乱れ飛んだ。アルベルト・コンタドールも実に10回近く加速を繰り返した。前日同様、一部のライバルからはタイムを奪い、一部のライバルからは差を詰められたが、マイヨ・ロホは問題なく守りきった。
太陽の下でプロトンは走り出した。アタック合戦は1時間近くも続き、48km地点でようやく、5選手が好エスケープに乗り込んだ。プリジミスラウ・ニエミエツ、ハビエル・アラメンディア、キャメロン・メイヤー、クリストフ・ヴァンデワール、そしてだジョン・デゲンコルブ!
緑ジャージ着用者の狙いは、当然、55km地点の中間ポイントだった。しかも、道が本格的に険しさを増すほんの少し手前の、97.4km地点に、第2中間ポイントも置かれている。ポイント収集用エスケープを打つには、なんとも都合の良いコース設定だ。こうして逃げの切符を力ずくでもぎ取ったデゲンコルブは、2つの中間ポイントでは極々あっさり先頭通過をさらった。4pt×2=8ポイントを新たに追加した。
それ以外の4選手は、もちろん、山頂フィニッシュ勝利に目標を設定していた。任務完了のデゲンコルブが静かに前集団を離れても、雨雲が頭上に現れても、残された4人は先を急いだ。リードは最大11分奪った。最終峠コバドンガの麓でも、いまだ4分15秒の差を保っていた。
協力関係を捨てて、ゴール前10.5km、真っ先に加速を切ったのは「トラック競技で世界チャンピオンタイトル8つ」のメイヤーだった。そこに「ミケーレ・スカルポーニの最終山岳アシスト」を長らく務めたニエミエツが、10km地点で追いついてきた。2人の逢引は、そこから5kmに渡って続く。
「この山は良く知っていた。2012年大会で走ったからね。昨日も逃げたけれど、調子はあまり良くなかった。だから今朝のミーティングでは、『動かず、脚の調子を回復するように』と指示された。ただ1回だけアタックにトライした。そうしたら、絶好のエスケープに乗れたというわけなんだ。最終峠に入った時点で、残り5kmで勝負に出よう、って考えた。そして、その残り5kmで、考えを実行に移した」(ニエミエツ、ゴール後記者会見より)
残り5km地点での賭けは、見事に成功した。1度の加速でオーストラリア人を完全に振り払い、山頂まで1人先頭で駆け上がった。34歳ポーランド人は、生まれて初めての区間勝利を勝ち取った。ちなみにアルデンヌクラシックで表彰台2回のミカル・クヴィアトコウスキーや、ツール・ド・フランス区間2勝&山岳賞ラファウ・マイカは、それぞれニエミエツより10歳年下の同国出身である。
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