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メイン集団も猛烈に追いかけた。総合上位選手を抱えるチームも、次々とプロトン前方へ位置取りを始めた。落車やメカトラを避けるため。なにより、起こりうる分断を避けるため。なにしろ上り坂にはびっしりと石畳が敷き詰められていたのだから!
そんな石畳路の、中央部分30cmほどだけは、セメントの細道が走っていた。この安全地帯に選手たちは殺到し、プロトンは細長く一列に伸びた。貴重な最前列をすかさず奪い取ったのはスカイだった。総合3位クリス・フルームを背負って、アシストが露払いを務めた。肝心のスプリンターチームだって負けてはいない。総合9位につけるワレン・バルギルが、ヒルクライマーの脚を存分に生かし、たった1人で細長い集団をぐんぐん引っ張った。ラスト5kmで、タイム差は23秒。上り詰めた先に、ア・コルーニャの市民ビーチが、見えてきた。
「スプリントに加わろうっていうんじゃなかったんだよ!ただ、あらゆる問題から、できるだけ離れていたかっただけなんだ。最終盤は罠がいっぱいだったから。今日もまた、チームメートたちが良い仕事をしてくれた」(フルーム、大会公式リリースより)
いまだ海水浴を楽しむ人々を横目に、プロトン内の緊張感は高まる一方だった。フィニッシュラインにつながる高速ダウンヒルに取り掛かると、ユンゲルス、デニス、ファヴィッリは諦めるどころか、ペダルをがむしゃらに回した。メイン集団はぶちぶちと細かく千切れ、総合リーダーたちは被害を避けようと夢中で前へ向かった。
ラスト3kmで6秒差。一番働いてきたトレック所属のルクセンブルク人は、最後の力を振り絞った後、ついに脱落した。残す2人はしぶとく粘った。しかし、残り1kmのアーチをくぐり、プロトンが2人に構わずスプリント体勢に入ると、もはや抵抗など不可能だった。次々と飲み込まれ、そして後方から吐き出された。デニスとファヴァッリは22秒遅れで、ユンゲルスは43秒遅れで勇敢にステージを終えた。
逃げた者たちの努力は、チームが引き継いだ。ジャイアント、オメガファルマ、オリカの追走作業に一切手を貸さずとも済んだランプレ・メリダは、フィリッポ・ポッツァートとロベルト・フェラーリのタンデムがさらりとプロトンの前方に躍り出た。トレックも同じく。ジャスパー・スタイヴェンとファビアン・カンチェラーラが、2人でスプリント前線へと突進していった。
それでも、最後に大笑いしたのは、1日中働き通したジャイアントだった。アシストを使い切り、もはや発射台のいなくなったデゲンコルブが、たった1人であらゆる挑戦を跳ね除けた。2014年ブエルタ区間4勝目。2012年大会の5勝と合わせて、通算9勝へと伸ばした。ジャイアント・シマノとしては、ジロ2勝(マルセル・キッテル)+ツール4勝(キッテル)+ブエルタ4勝(デゲンコルブ)と今シーズンだけでグランツール通算10勝をたたき出したことになる!
「心から満足している。だって、今日勝つために、チームは本当に必死に仕事をしたからね。集団スプリントに持ち込むために、1日中レースをコントロールし続けた。仕事をした甲斐があったというものさ。フィニッシュの地形は知っていたんだ。ホテルがすぐ側だったから、休養日に下見に行った。それでも、簡単じゃなかった。500m前にはいまだ逃げ選手がいて、僕は200mで飛び出した。最後は本能に従ったまでさ」(デゲンコルブ、公式記者会見より)
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