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サイクル ロードレース コラム 2015年4月3日

【ツール・デ・フランドル/プレビュー】両巨頭不在の中、エティックスとスカイの火花が散る!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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もちろん、エティックスvsスカイの睨み合いに、強豪選手たちが積極的に絡んでくることは間違いない。昨季表彰台のグレッグ・ヴァンアーヴェルマートやセプ・ヴァンマルク、さらにはミラノ〜サンレモ覇者ジョン・デゲンコルブ、昨ミラノ〜サンレモ覇者のアレクサンドル・クリストフ。フランドル2勝のスティーン・デヴォルデルは、カンチェラーラの代わりにトレックを率いねばなるまい。クイックステップ時代は「ボーネンの2番手」として、あとわずかのところで勝利を逃したシルヴァン・シャヴァネルは、イアムの1番手として走る。そうそう、たとえE3最終盤で脱落したとはいっても、やはりぺーター・サガンのことも忘れてはならない……。

肝心のコースは、「北のヴェネツィア」ブリュージュから「ツール・デ・フランドル博物館」の建つオーデナルデまでの264km。平坦な石畳ゾーンは6つで、激坂は去年よりも2ヶ所増えて全部で19。特にフランドルを最もフランドルらしくしてくれる石畳の激坂は全部で10回通過する。中でも激坂巡りの基点となるのが、オウデ・クワレモント。平均勾配4%、最大勾配11.6%の伝統坂は、全長2200mのうち1500mに石畳が敷き詰められた長い長い難所。全部で3回登場するうち、後半の2回はパテルベルフ(平均12.9%、最大20.3%、登坂&石畳距離360m)とセットで登場する。

今のようなオウデ・クワレモント中心の「周回」形式が取られるようになったのは、グラモンの壁、いわゆる「ミュール」が2011年大会を最後にコース上から姿を消してから。頂に教会を抱く石畳の坂道は、平均勾配9%・最大20%と難度も飛び切り高く、コースの最後から2番目の難所として(最終難関はボスベルフ)、数々の名アタックの舞台となってきた。あのチャーミングな坂の使用が中止されて以来、選手たちは、決定的アタックの場を探し求めている。

だからこそ、かつては激坂めぐりの序盤に登場し、大渋滞の名所となっていたコッペンベルフ(平均勾配11.6%、最大22%、登坂&石畳距離600m)が、昨季からコース終盤へと移動された。今年は14番目(219.6km地点)に配置され、つまり3度目のオウデ・クワレモントよりも28km手前でアタックのきっかけ作りに参加する。そして、最後のオウデ・クワレモント→パテルベルフをこなすと、フィニッシュラインまで残すは13.2kmだ。

絶好調の脚を持つ男が、強烈なアタックで独走にもちこめるか。それとも小人数によるスプリント勝負にもつれこむか。「フランドルの獅子(の後継者)」ボーネンは3勝中、独走1回、2人スプリント1回、3人スプリント1回。一方の「スパルタクス」カンチェラーラはやはり3勝中、独走2回、4人スプリント1回。また過去10年のうち二大巨頭「以外」の選手が勝った4大会は、独走2回(いずれもスティーン・デヴォルデル)、2人スプリント、3人スプリント。つまるところ独走と片手で足りる人数によるスプリントの確立は半々。

そうそう、1週間前にフランドル地方を襲った悪天候が、再びプロトンを苦しめることがあれば、またしてもひどく荒れるレースになるかもしれない。天気予報によれば曇り、風弱し、日中の気温は8〜10度前後。あくまでも、予報、である。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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