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サイクル ロードレース コラム 2014年9月12日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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「勾配の最も厳しい場所でアタックを仕掛けたんだ。監督のジュゼッペ・マルティネッリからそうするよう助言されていたし、1周目でしっかりと確認をしていたから」(アル、公式記者会見より)

次に違いを見せたのがフルームだった。残り2.5km。ついほんのさっきスプリントしたばかりの英国人が、アルへと向かって突進した。すぐに2人は合流した。総合3位フルームと、総合5位アルは、共同戦線を張った。……といっても、がむしゃらに牽引を引き受けたのは、順位より、むしろタイム差を重視するフルームのほうだったけれど。

「僕らは協力し合って走ったよ。フルームはすごく力強く走った。おかげで僕は勝てたんだ!」(アル、公式記者会見より)

英伊同盟の背後では、協調性に欠けるスペイン3人組が追いかけていた。バルベルデがひたすら前を引き、コンタドールとロドリゲスはただ後輪に張り付いているだけ。さすがにフルーム&アルとの差が15秒以上に開くと、コンタドールがわずかに加速したり、プリトが突進したりしたけれど……。大部分はバルベルデただ1人に、追走の責任がなすりつけられた。

「だってアレハンドロには、率先して追いかける理由があったはずだから。表彰台の2番目の位置を失いたくなかったはずなんだ。だから考えた。仕事をするのは僕じゃない、アレハンドロが行くべきだ、って。いつも以上に、僕は冷静だったかもしれない」(コンタドール、公式記者会見より)

「誰もが警戒しあうばかりで、協力関係が一切なかった。僕はフィニッシュラインまで力いっぱい走った。時々は後ろを振り返って、プリトがまだ背後にいるのか何度も確認したよ。フルームが僕らより強かったとは思わない。みな同じ程度のレベルにいると思うんだ。ただ今日のフルームは、やるべき事を上手くやっただけ。いや、確かに強いけれど、コンタドールを頂点から追い落とせるほどではないだろう」(バルベルデ、大会公式リリースより)

ラスト500mに入ると、アルは2度目の区間勝利に向かって、再び自らの加速を切った。力いっぱい拳を天に突き上げて、第11ステージに続く山頂フィニッシュを勝ち取った。生まれて初めて年間2グランツール(ジロ+ブエルタ)に挑んだ24歳は、「3週目に体力が持つかどうか、ちょっと怖い」(大会公式会見より)と1週間前には言っていたけれど……、閉幕4日前に全てが若者の杞憂だったことが証明された。

「本当に満足してる。あと3日間残っているから、この勝利を存分に味わうことは出来ないけどね。まだ集中し続けていかなきゃならない。だってこのブエルタを、絶対にトップ5で終えたいんだ。ビッグチャンピオンたちと戦った末に、総合5位以内で終えられたら、それこそ僕にとっては勲章モノだ。参加するあらゆる大会で、なんというか、僕の『指紋』を残して行きたいと思っているんだ」(アル、大会公式記者会見より)

1秒遅れてフィニッシュラインを越えたフルームは、第6、第16ステージに次いで「また2位だった」(ゴール後インタビューより)と、苦笑いで肩をすくめた。

「もちろん、区間勝利が欲しかったよ。でも、飛び出した目的は、まず第一にライバルたちにタイム差をつけるためだったからね。だから、チームが再びファンタスティックな仕事をしてくれて、僕自身がこうして山でいい走りが出来て、総合でも2位に上がれたことには、すごく満足しているんだ」(フルーム、ゴール後インタビューより)

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