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サイクル ロードレース コラム 2014年9月12日

ブエルタ・ア・エスパーニャ2014 第18ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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新進気鋭のヒルクライマー、ファビオ・アルが、今大会2度目の山頂を勝ち取った。クリス・フルームは積極的に加速を繰り返し、ついに総合2位の座に上った。マイヨ・ロホのアルベルト・コンタドールはひたすら「コントロール」に終始し、2人のスペイン同胞、アレハンドロ・バルベルデとホアキン・ロドリゲスの背後で静かに1日を終えた。

ひどく蒸し暑い午後だった。ただじっとしているだけでも、汗が噴出してくるような不快な午後に、大量の選手たちが白熱のアタック合戦を繰り広げた。小さなアップダウンと、細かいうねりの続く複雑な道にも関わらず、レース開始1時間目の時速は50kmを超えた!全長62kmにも渡る追いかけっこの果てに、ようやくヨアン・ルポン、ユベール・デュポン、ルイスレオン・サンチェスの3人が逃げの切符を手に入れた。

ただし、逃げ切りの夢は、長くは続かない。前夜にコンタドールが「おそらくバルベルデやロドリゲス、フルームが積極的に動くだろう」(公式記者会見より)と予告していた通り、モヴィスターが逃げ集団吸収に向けて大いに力を尽くしたからだ。最終盤に2回登坂したモン・カストローベ峠への、1度目の登坂に入ると、カチューシャが前方におとりを送り出した。途端にスカイが5人隊列を組み上げ、ハイペースでの集団制御に乗り出した。

総合わずか3秒差で睨み合うバルベルデとフルーム、そして50秒差を引っくり返して総合表彰台に滑り込みたいロドリゲス。誰もがライバルを引きずり落としたかった。もちろん、区間勝利の栄光と、それに付随するボーナスタイム10秒も喉から手が出るほど欲しかったはずだ。

あらゆる逃げは、ゴール前20kmまでに飲み込まれた。かろうじて、青玉ジャージを着込んだLLサンチェスは、1回目の山頂通過で首位5ptを懐に入れた。ステージ終了時点で、山岳賞2位バルベルデとの差は28pt。この先で獲得できる総ポイントは第19区間10pt・第20区間38ptだから、いまだ戦いの結末は見えてこない。ちなみに、気になるポイント賞ジャージ争いは、前日の区間優勝で首位ジョン・デゲンコルブがリードを35ptに開いたばかりだというのに……、本日終わってみれば2位バルベルデに19pt差に再び接近されている。

つまりデゲンコルブにとっては幸いだった。2回登坂の合間の、ゴール前9.2kmの中間ポイントで、バルベルデはスプリントしなかったからだ。白ジャージを身にまとう「キング・オブ・オールラウンダー」は、チームメート2人に代理スプリントを命じた。一方のフルームは自らが猛ダッシュして――。フィニッシュエリアでレースを見守っていた他チームスタッフには、「ほんの1、2秒のために……」と唖然とされつつも、2011年ブエルタを実際に「ボーナスタイムの差」で落とした2013年ツール覇者は、なりふりなど構ってはいられなかった。結果は2位。2秒のボーナスタイムを懐に入れて、暫定総合タイムではバルベルデについに1秒差に迫った。

ゴール前7.7km、2度目の登坂は、コフィディスの突撃から始まった。大会スポンサーの赤いジャージに続いて、カチューシャ、ティンコフ・サクソ、アスタナ、キャノンデール、ジャイアント・シマノ……と色とりどりのジャージが繰り返し前方へと駆け上がった。数々の小さな企ては、浮かんでは消えていった。会心の一撃は、空色のジャージが決めた。ゴール前3.7km、ピュアな山男アルの、確信に満ちたアタックだった。

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