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16秒後にフルームがゴールラインを越え、57秒後にバルベルデが、1分18秒後にロドリゲスが、1分21秒後にアルが山の戦いを終えた。区間を終えた順番は、そのまま、2014年ブエルタ総合の順番でもあった。総合2位フルームは1分37秒差、3位バルベルデ2分35秒差、4位ロドリゲス3分57秒差、5位アル4分46秒差。ブエルタを彩った5人の戦いは、最終日の、9.7kmの平坦個人タイムトライアルで幕を閉じる。
マイヨ・ロホ以外のジャージも、ほぼ確定した。2003年に夭折したスペインの山岳王、ホセマリア「チェバ」ヒメネスに捧げられたアンカーレス山のてっぺんで、LLサンチェスが山岳ジャージを確定させた。コンタドールから31分36秒遅れで走り終えたジョン・デゲンコルプは、この日も緑ジャージを持ち帰った。2位バルベルデとのポイント差は23pt、3位コンタドールとの差は24pt。つまり、両者いずれかが区間優勝して25ptを取らない限りは、デゲンコルプのポイント賞首位が揺らぐことはない。
ちなみに、デゲンコルプがゴールしたときには、表彰台はすでに撤収作業に入っていた。それを見た本人は、目を大きく見開いて、呆然としていたが……。それは6位ゴールのチームメート、ワレン・バルギルが代役で表彰台に上がっていたから。
なにしろ、ここは、熊しか住んでいないような、とてつもない山奥だ。チームバスが止まっているのは、細くうねった山道を、50kmほども走った先。しかも、選手たちがチームカーに分乗して、すでに暗くなり始めた道を進んでいるときに、突然大雨が降ってきた。街灯もない危険な山道で、しばらくは先導警察隊から待機を命じられたほど。サンティアゴ・デ・コンポステーラまでの215kmに、結局は、各チーム4時間近く費やす羽目になった!幸いなことに、上位5選手は、ヘリコプターで飛び去った。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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