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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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全長12.7kmのステージ最終峠でも、スカイのアシストが、健気なほどの献身を見せた。ゴール前10.7km、つまり登坂開始から2kmの勾配8%ゾーンにある第2中間ポイントでは、ボーナスポイント用スプリントをきっちりお膳立てした。ニエミエツに次ぐ2位通過を果たし、英国人は2秒を収集。ほんのわずかながら、首位コンタドールとの差を1分17秒に縮めた。さらに、その後にやってきた最大勾配18%ゾーンでは、フィリップ・ダイグナンが持てる力を全て振り絞った。激烈なペダリングで、メイン集団を一気に切り刻んだ。
「チームのみんな全てを投げ打ってくれた。とてつもない仕事をしてくれた。その目的は、厳しい展開に持ち込んで、最終盤に僕を攻撃へと送り出すこと。全てはタイム差をつけるため、アルベルトを苦境に追い込むためだったんだ」(フルーム、ゴール後インタビューより)
そんな中、真っ先にアタックを仕掛けたのはホアキン・ロドリゲスだった!総合では2分29秒差の4位で、表彰台までは57秒差。35歳大ベテランは、最後の瞬間まで諦めてはいなかった。いまだゴールまで9kmと遠かったが、大きな賭けに出た。
「ショーを盛り上げるためにアタックしたわけじゃない。勝つためにアタックした。タイムを稼ぎたかった。攻撃を仕掛けて、ライバルたちを驚かせたかった」(ロドリゲス、チーム公式HPより)
総合3位アレハンドロ・バルベルデは、弾かれたように追いかけ始めた。フルームも追走体制に入った。コンタドールはすかさず反応し、総合5位ファビオ・アルも後に続いた。レース先頭は一気に、今ブエルタ総合上位5選手へと絞り込まれた。
バルベルデとフルームは、そこから、交互に加速や小さな攻撃を繰り返した。若きアルは、ここ数日同様に、すぐに遅れがちになった。一方でコンタドールは――2日前はただバルベルデの背中に張り付いていたコンタドールは、この日はひたすらフルームの背中を見つめ続けた。この作戦は、ラスト9km地点からフィニッシュラインの数百メートル手前まで、徹底的に行われることになる。確かに、ほんの一瞬だけ、2人の間にバルベルデが割り込んだこともあったけれど……。
ゴール前6.2km、フルームが予告もなく、いつものクルクル高速回転に切り替えた。するとマイヨ・ロホの目の前で、プロ生活13年目の34歳ベテランが、痛恨のギアミスを犯した!コンタドールはすぐに、哀れな脱落者を追い抜いて、フルームの後輪に飛び移った。
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