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チプレッサからの下りを極めて慎重に、しかし高速でクリアすると、直後に、集団からBMCのダニエル オスが飛び出した。すると「G」も呼応するように、再びスピードアップ。ゴールまで16km、オスとトーマスは、2人して先を急ぎ始めた。
チプレッサの上りで、すでにBMCは、フレフ ヴァンアーヴェルマートに攻撃参加させていた。オスが先に行った後は、追走集団の前方にすかさず4人配置した。ペーター サガン擁するティンコフの加速要求を上手くいなしつつ、レース制御に勤しんだ。オスとトーマスのリードは、ゴール前13kmで、30秒にまで広がった。ついに我慢のできなくなったトレックが、ファビアン カンチェラーラを好位置に送り込むために、追走の音頭を取り出した。ゴール前10km、タイム差は20秒。ヴィンチェンツォ ニーバリのアスタナもスピードを上げた。最後の勝負地、ポッジオの坂道には、17秒差で突っ込んだ。
ここでカチューシャがついに腰を上げた。3人で集団前方へと競りあがると、ぐいぐいと差を縮めにかかった。特にルーカ パオリーニが、クリストフを背負って、驚異的な脚を披露した。トーマスもまた、驚異的だった。残り7.7km、3秒差にまで詰められたところで、最後の反撃に打って出る。トラックのチーム追抜で五輪金メダル2つ、世界選アルカンシェル3枚を有するエリートルーラーは、再び差を15秒にまでこじ開けた。38歳のベテランヒップスターは、慌てることなく、ダンシングスタイルでテンポを刻み続けた。
役目を終えたオスと入れ違いで、BMCはフィリップ ジルベールがアタックを仕掛け、山頂付近でヴァンアーヴェルマートも動いた。サガンも自ら反応し、オリカ・グリーンエッジのマイケル マシューズもいよいよ攻撃モードに切り替えた。そしてポッジオのテクニカルな下りへ――。
トーマスの幾度にもわたる奮闘に、ここで終止符が打たれた。ヴァンアーヴェルマート率いる細長い集団に、あえなく飲み込まれていった。何人かの有力候補は、高速ダウンヒルに失敗し、やはり勝負を争える位置に留まれなかった。ヘアピンカーブでジルベールが地面に転がり落ちた。「ポッジオの下りは僕向き!」と嬉々として語っていた世界王者ミカル クヴィアトコウスキーと、この日すでに何度か加速を仕掛けていた元シクロクロス世界王者ゼネック スティバール、さらには2013年大会覇者ゲラルド チオレックをことごとく巻き込んで。
「僕の落車に巻き込まれてしまった選手たちには、本当に申し訳ないことをした。スポーツというのは残酷だね。僕はボアッソンハーゲンのすぐ後ろで下っていた。彼が少しカーブで膨らんだから、僕も彼の動きに合わせたんだ。ブレーキを効かせた瞬間、車輪が横滑りした。そのまま地面に転がり落ちた。続けてかなり大量の選手たちが、同じように、転んだ」(ジルベール、ゴール後TVインタビューより)
幾多の試練を潜り抜け、7時間の長丁場を耐え続けた約30人の小さな集団が、サンレモの街へとたどり着いた。雨に悩まされたプロトンの頭上には、春の太陽が顔を出していた。すでに十分すぎるほど働いたパオリーニが、最後まできっちりと任務を遂行した。するすると前方へと進み出ると、この日最後のカーブを先頭で曲がり、ヴィア・ローマへと滑り込んだ。フィニッシュライン200mまで最後の力を振り絞ると、1年前と同じように、リーダーのクリストフを解き放った。
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