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サイクル ロードレース コラム 2015年4月9日

【ツール・デ・フランドル/レビュー】落車多発のカオス状態の中、アレクサンドル・クリストフが今季10勝目を挙げる!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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そして勝負のクライスベルフがやってきた。またしてもロットが動き、トーマス、ボーム、ペーター・サガン、フィリッポ・ポッツァートといった大御所がついに自ら前へと競り上がり、それから、石畳ゾーンを抜けてほんの少々緊張感が緩んだ一瞬だった。テルプストラとクリストフが、飛び出していったのは!

「逃げのパートナーとしてはいい相手だと思った。確かに、(スプリントが)速い選手だけど、でも飛び出した時点では上りが3つ残っていたからね。だから、自分にも勝機があると考えた」(テルプストラ、チーム公式HPより)

「ニキの加速に、上手く反応することが出来た。一旦逃げ出してからは、2人で上手く協力しあったし、なにより彼を説き伏せたんだよ。僕とフィニッシュまで協力すれば、最悪でも2位に入れるはずだよ、って」(クリストフ、チーム公式HPより)

後方ではスカイのアシスト、ルーク・ロウが必死に牽引を試みた。ロットのグライペルもまた、惜しみなく追走に力を尽くした。3度目のオウデ・クワレモントでは、スカイのリーダー、トーマスが満を持して加速するも、テルプストラのチームメイト、ゼネック・スティバールが監視役として張り付いた。デヴォルデルが飛び出したときも、フレッフ・ヴァンアーヴェルマートが試みたときも、やはりスティバールがきっちり潰して回った。最後の激坂、ゴール前13kmのパテルベルフでようやく、ヴァンアヴェルマートとサガンがスティバールを振り切ることに成功する。しかし協力しあって先を急ぐテルプストラとクリストフとの差は、すでに30秒にまで開いていた。

そのパテルベルフで、テルプストラはライバルを振り払うどころか、スプリンターに先行されてしまう。

「パテルベルフでは、彼を上手く支配下に収めたと感じた。でも、真実は、決して分からない。とにかく僕は彼を先には行かせなかった。彼の強さを知っていたから」(クリストフ、チーム公式HPより)

「ラスト10kmに入っても、彼はまだ、そこにいた。もう、僕にできることは、それほど多くはなかった」(テルプストラ、チーム公式HPより)

後ろから追いかけてくる2人が、ヴァンアヴェルマートとサガンではなく、スティバールと誰かだったら……。もっと早く協力体制に「ノー」を突きつけられていたはずだ。ゴール前5km、タイム差は26秒。ここで一度は軽く首を振ったテルプストラだが、結局はラスト3kmまで前を引くよう強要された。はるか後ろの状況を気にして何度も振り返るテルプストラと、「追いつかれるかもしれないと思うと、怖かった」と後に告白しながらも、レース中は隣の敵から決して目を離そうとしなかったクリストフ。この時点ですでに、大方の勝負は決していたのかもしれない――。

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