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サイクル ロードレース コラム 2015年4月14日

【パリ〜ルーベ/レビュー】最後の7人スプリント勝負を制したのは、デゲンコルブ!

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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シュティバルの合流、それと同時にランパールトのアタック。エティックスは攻撃的態度を貫いた。しかしデゲンコルブは、誰一人逃さない。そうこうしているうちに、後方からさらに3人追い付いてきた。そのまま7人で、ルーベ競技場へと入場した。セメントのバンクの上で、ランパールトは先頭でリードアウト役を務め、その背後でシュティバルはスプリントに備えた。しかし、2015年のエティックスには、スプリンターが決定的に足りなかった。

「うん、おそらく、チームの中で唯一ボーネンだけが、クリストフやデゲンコルブといったビッグスプリンターたちを倒せる可能性を有していたんだと思う。トムの不在は大きかった。でも僕らは僕らのベストを尽くしたんだ」(シュティバル、公式記者会見より)。

デゲンコルブは一瞬の加速であっさり先頭に躍り出ると、「まるでグミみたいに」重く絡みつく脚を夢中で回して、そしてフィニッシュラインで歓喜の雄叫びを上げた。またしても2位に終わったエティックスのシュティバルと、またしても3位ながら「先週とは違って、自分の力を全て出しきったから満足」と語るヴァンアーヴェルマートを尻目に、3週間前のミラノ〜サンレモに続く2つ目のモニュメントをさらい取った。サンレモの表彰台では大粒の涙を流したデゲンコルブは、この日は満面の笑みでチームメートたちと喜びを分かち合った。

「チームのみんなにお礼を言いたい。この場に来ている関係者だけでなく、自宅でレースを見ているコーチにも。マッサーからバスの運転手まで、とにかく、全てのチーム関係者が僕を信じてくれた。僕を支えてくれた。そして、僕らは、やったんだ。やり遂げたんだ。すごい感動だよね。まずは僕のアパートの、どこに石畳トロフィーを置くべきなのか、考えないとなぁ。簡単じゃないよ。だって大きくて、重いから、しっかり安定した土台を作らなきゃ。本当に、言葉では上手く表せないくらい、僕にとっては大きなこと。偉大なる先人たちに並んで、勝者リストに自分の名前が記されるなんて、なんて素敵なんだろう。それに、ここのシャワー室に、僕の名前が刻まれたプレートが設置されるんだよね。これが今日の勝利の、最高にアメージングなご褒美かもしれないな」(デゲンコルブ、公式記者会見より)

第2集団に残されたウィギンスは、ゴール前3kmで、もう一度アタックを試みた。優勝で引退の花道は飾れなかった。人生最後のワールドツアーレースは18位だった。それでも、”元ツール・ド・フランス総合勝者”という名のパンチドランカーから、どうやら抜け出せたようだ。

「まるで16歳に戻ったような気分だった。ロンドンの、家の近所で、トレーニングしていたあの頃に。いい気分だった。数年後に今日のことを思い出して、『俺も一時はレースの先頭を走っていたんだぞ』って言えそうさ(笑)」(ウィギンス、チーム公式HPより)

ウィギンスはあと数週間でロードレースに別れを告げ、昔なじみのトラック競技へと専念する。そして自転車界一行はごつごつした北の大地を離れ、アルデンヌの美しき丘陵地帯へと戦場を移す。

宮本あさか

宮本 あさか

みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。

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