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【フレッシュ・ワロンヌ/プレビュー】ユイでの仕掛けるタイミングが勝負を左右する!優勝候補はアムステルでも好調だったバルベルデか?
サイクルロードレースレポート by 宮本 あさかたとえば2014年には2度目と3度目のユイの距離を、それまでの約30kmから、一気に23.5kmに短縮してみた。ただし、2度目のユイ通過で動きがあるように、との狙いは残念ながら外れた。今年は再び距離は開いたが、代わりにゴール前5.5kmに新たな坂コート・ド・シュラヴが組み込まれる。登坂距離1.3km、平均勾配8.6%、最大勾配15%と、このニューフェイスはなかなか手強そうだ。……しかも、2015年フレッシュ・ワロンヌのラスト3坂、エレッフ→シュラヴ→ユイは、この夏のツール・ド・フランス第3ステージでそっくりそのまま拝借される!
開催委員会の新たな工夫は効果を発揮するだろうか。事前にアタックを仕掛ける冒険者たちの奮闘は、実を結ぶだろうか。それとも2015年のフレッシュ・ワロンヌの勝負も、やはり激坂ミュール・ド・ユイで決まるだろうか。
ユイに突入したからといって、早すぎるアタックは失敗のもと。壁を飛ぶように登る脚を持ち、どんなに絶好調でも、タイミングは大切だ。2010年アルベルト・コンタドールは、ゴール前300mで鮮やかに加速したが、最後はぐだぐだになり3位。2013年にカルロス・ベタンクールはゴールまで500mも残っているというのに、するすると前方へ駆け上がった。結局ゴール前150mからの猛烈な伸びに抜かれ3位。なにより、1年前は、ミカル・クヴィアトコウスキーがラスト250mで真っ先に加速を始めたけれど……、やっぱり3位。
去年のクヴィアトコウスキーは、アムステルでも早すぎた。しかし、失敗を経験に変え、昨秋世界チャンピオンとなった24歳は、どうやら最適のタイミングまで我慢できるようになったらしい。ステージレースに関しては相変わらず勇敢なアタックがお好きなようだけれど、今年のアムステル・ゴールドレースでは、自らは無駄に動かず、ゴールスプリントまで体力を温存した。自身にとって4度目の挑戦となる壁よじ登り大会でも、きっと今年は、その時が来るのをじっと待ているはず。
もちろんプロトン屈指の激坂ハンターといえば、やっぱり「プリト」の愛称でお馴染みのホアキン・ロドリゲスで、2012年に壁の王者となった。翌年には普段はアシスト役であるダニエル・モレノが、プリトの後押しで優勝を決めている。しかも所属チームのカチューシャは、石畳系クラシックではクリストフ&パオリーニのリーダー&アシストコンビが1つずつ勝利をもぎとったから、アルデンヌでも、プリト&モレノ組の連携プレーに注目したい。
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