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サイクル ロードレース コラム 2015年5月14日

ジロ・デ・イタリア2015 第5ステージ レースレポート

サイクルロードレースレポート by 宮本 あさか
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父マルコが率いるコンチネンタルチームでキャリアを始めたヤンは、ヒルクライムの脚だけではなく、優れた戦術センスも持っていた。さんざん「友たち」を争わせた挙句に、ラスト10.7kmで、ポランチは強くペダルを踏み込んだ。一発の加速で3人を振り払うと、プロ初勝利へ向かって長い独走を始めた。ちなみにちょうど1週間前に23歳になったばかり。前ステージ覇者ダヴィデ・フォルモロとは同じ1992年生まれで、「ジュニア時代から何度も同じレースを走ってきた」そうである。

「最後の山の麓に来たとき、チームカーの監督から、100パーセントで上るな、と言われた。だから90%くらいの力で上った。最終盤は全力を振り絞った。最後の5kmくらいは勾配が厳しくなかったから、比較的楽に登れた。もっと勾配がきつかったら、おそらく、背後のトップライダーたちとの差を保つのは厳しかっただろうね」(ポランチ、公式記者会見より)

いやいや、フィニッシュラインに飛び込んだとき、後続へのリードはいまだ1分31秒も残っていた!一緒に逃げたシャヴァネルと、それから、後方から恐ろしい勢いで山を上ってきたアル・コンタドール・ポートとが、まったく同じゴールタイムを記録することになる。

ゴール前36km、コンタドールが自転車を交換した。本人によると、予定通りの行動だった。「モータースポーツのように」、地形や気候によって違うタイヤ、違うベアリング、違う調整の自転車を使用したいと考えたからだ。たとえばパリ〜ルーベでは、石畳路に変わる直前に、自転車を変える有力選手が多かった。個人タイムトライアルでは、上りと平坦とでバイクを使い分ける選手もいる。今回に関しては、「モーター搭載自転車だったんじゃないの?」なんて疑念の声を上げる人間もいたようだ。たしかに、ステージレースの山岳ステージでは、少々珍しい試みかもしれない。

この自転車交換からほどなくして、メインプロトンはスピードを上げ始める。じわじわと緊張感は高まっていき、オリカのマリア・ローザ列車に、ティンコフ・サクソやアスタナ――その他チームも代わる代わるに――が、各々に隊列を並走させた。ついには道の勾配が増し、集団の人数は減っていった。

ラスト10kmを切り、最初に仕掛けたのはアスタナだ。2日前はゴールスプリントにトライし、前日は中盤から猛烈にレースを制御した。それでもコンタドールに対するアルの遅れは、6秒差のまま変わらなかった。だからこの日の水色軍団はボーナスタイム獲得のため、まずは「逃げの残り選手の吸収」、もしくは「もう誰も逃がさない」作戦を敢行した。ディエゴ・ローザの囮アタックで集団スピードを上げ、ミケル・ランダはステファノ・ピラッツィの逃げを潰しに向かった。2013年のジロ山岳賞が2度目のアタックを打ったときなどは……列車を組んで回収に向かったほど!そのせいでマリア・ローザのサイモン・クラークは、あえなく脱落した。

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