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「インサウスティが勝った日、教訓を得たんだ。あの日の僕はミスを犯した。アタックをかけるのが早すぎたんだ。だから今回は、ぎりぎり最終盤まで待った」(ザカリン、公式記者会見より)
そうは言っても、いまだフィニッシュまでは20kmと遠かったし、2回の下りと1回の上りが待っていた。残りの6人にはすぐに1分近い差を開いたけれど、雨の中、果敢に独走を続けるのは決して簡単ではなかった。
「ラスト10kmは苦しかった……。それでも、僕はやったんだ!まだ信じられないよ。ロマンディの総合を勝って、ここではジロの区間を勝ったなんて!感動でいっぱいだし、嬉しくて、興奮しているよ。きっと、あと何日かたたないと、この勝利を実感できないんだろうなぁ」(ザカリン、公式記者会見より)
ベタンクール、ペッリツォッティ、クルイスウィクは3度目の、ヘシェダルは2度目の大逃げを53秒差で虚しく終えた。ただし、区間2位に入ったコロンビア人に限って言えば、「ようやく戦える体調を取り戻せた!今日だって、前に飛び出そう、という強い精神が持てた!」(チーム公式リリースより)と極めてポジティヴに1日を終えられたようだ。
同じコロンビア人のウランは、3回目のイモラ通過時に、地面に滑り落ちた。「前にいる選手がギアチェンジしながら少しスピードを緩めたから、ホイールに接触してしまった」(チーム公式リリース)。左肩のジャージが破けるほど衝撃は大きかったが、チームカー隊列を上手く利用して、すぐにメイン集団に復帰を果たした。
マリア・ローザのコンタドールは、4回目のトレモンティ峠で軽くアタックを打った。「ライバルの1人が調子を落としているように感じたから、それを確認してみたかったんだ」(公式記者会見より)。つまり3秒差で総合2位につけるアルが、どうも、疲れているように見えたそうだ。案の定、アルは反応できなかったけれど、それ以上は何も起こらぬままメイン集団はひとつにまとまった。
総合上位の選手たちは、ザカリンの独走勝利から1分02秒遅れで、揃ってゴールラインを越えた。区間が欲しかったジルベールだけは、最後まであがいたが、メイン集団の4秒前・追走集団の5秒後という何もない場所で1日を締めくくった。
宮本 あさか
みやもとあさか。パリ在住のスポーツライター・翻訳者。相撲、プロレス、サッカー、テニス、フィギュアスケート、アルペンスキーなど幼いときからのスポーツ好きが高じ、現在は自転車ロードレースの取材を中心に行っている。
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