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【Cycle*2024 フレーシュ・ワロンヌ:プレビュー】唯一絶対の勝負地「ユイの壁」を4回、誰が真っ先に上り詰めるのか
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すでに幾度かレース前方を賑やかしてきた顔ぶれが、路面を濡らす雨にも負けず、この日も奮闘を見せた。7人にまで絞りこまれたエスケープ集団内から、ラスト23kmで飛び出したイルヌール・ザカリンが、見事な逃げ足で勝利をさらい取った。リゴベルト・ウランがイモラのモーターサーキットの水たまりで落車したり、アルベルト・コンタドールが最後の山でファビオ・アルに揺さぶりをかけたりしたが、総合争いに特段変更はなかった。
スタート直後から速いスピードでレースは進んだ。アタック合戦の隙を突いて、7.6km地点の中間スプリントを、ポイント賞4位につけるジャコモ・ニッツォーロが制した。24km地点の3級峠に差し掛かると、山岳賞2位のベナト・インサウスティが加速し、1位通過を成功させた。大会も折り返し地点に差し掛かり、副賞ジャージの争いも徐々に激しさを増しつつある。
その3級峠を下った谷間で、逃げ集団が徐々に形成されていった。スタート地で生まれ育ったマッテオ・モンタグーティは、宣言通りに飛び出した。第8ステージを沸かせたインサウスティ、ザカリン、フランコ・ペッリツォッティ、カルロス・ベタンクール、ステフェン・クルイスウィクが、またしても一緒に逃げていた。後者2人は翌第9ステージにもトライしたが、その時に一緒だったライダー・ヘシェダルが、この日も先頭集団に紛れ込んだ。さらにはルーベン・フェルナンデス、マレク・ルトキヴィチ、ディエゴ・ローザ。10人のエスケープ集団は、後方集団からは最大3分40秒ほどのリードを許された。
起伏の多いただでさえ難解なルートに、断続的に雨粒が落ちた。メイン集団の制御は、大部分の時間帯はBMCが請け負った。総合系チームはおしなべて控えめで(ティンコフ・サクソが一度だけ下りで猛分断を試みたことがあったが)、他のチームも一切協力を申し出ようとはしなかった。それでもフィリップ・ジルベールを擁するチームは、黙々と追走作業を続けた。残り40kmで45秒差にまで追い詰めた。
ところが、第8ステージを制したインサウスティが、前方でスピードを上げた。すでにイモラ・サーキットのフィニッシュラインを1回通過し、全部で4回あるトレモンティ峠の、2回目の登坂に差し掛かっていた。そのせいでエスケープ集団はモンタグーティ、フェルナンデス、ルトキヴィチを失ったが、おかげで再びタイム差を1分近く取り戻した。
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